学んだ技術を活かせる仕事を──入社のきっかけ
技術部 技術課所属の松嶌裕貴さん
ショップの整備士として外から見てきたBBSジャパンと、実際に入社して気づいたその内側について語ってくれた。
2016年にBBSジャパンに入社し、今年で4年目となる松嶌裕貴(まつしま・ゆうき)さん。現在は技術部・技術課にて、市販車両とBBSホイールの適合を管理する車両測定を担当している。
松嶌さんは元々クルマの整備士として、ホイールをはじめ、あらゆるパーツを扱ってきた経験の持ち主。結婚や子どもの誕生といった人生の岐路に立ち転職を決意し、今に至るという。
そんな松嶌さんに伺ったのはBBSジャパンに入社した今だからこそ話せる「外と内」での印象。まずは入社までの経緯を改めてお話しいただいた。
“あの”BBSのホイールを自分で作れる!
「当時やっていた整備士は、サービス業として時間も不規則で、仕事は充実していたのですが子供ができてからはやはり家族との時間も大切にしたい……そこで転職を決意しました。当初はクルマ関係と決めていたわけではなくて、漠然と“やってきたことを活かせる仕事を”と考えていたんです」
そう語る松嶌さんだが、これまでの整備経験に加え、新たな武器として「※CAD」を取り入れることを決意。技術を職業訓練所で学びながら職を探し、見つけたのがBBSジャパン株式会社だった。
※コンピューターによる設計
「整備士時代に数えきれないほど扱ってきたホイールですが、その製造工程というのはまったく知らなくて。BBSジャパンを調べるうちに、製品ができるまでには多数の工程があることを知りました」
設計して製造して販売、というと単純に聞こえるが、設計だけでも、各メーカーの車両データを取って、それを図面にして。実際に取り付けたらどうなるのか? サイズを替えたらどう変わるのか? など、細かな分析が必要になるという。
「ここなら整備士としての知識、学んだCADも活かせるかもしれない。なにより、憧れでもあったBBSホイールを自分で手がけることができたら……そんな思いでBBSジャパンを志望しました」
新しいことに挑戦できる環境
入社前、松嶌さんには一抹の不安もあったという。
「やはり大きい会社ですからね。ルールなども多く、職務的にも縛りが多いのだろうな……なんて思っていました。ただ、いざ入ってみると個々の意見をとても尊重してくれる会社で。上長に気軽に相談して、新しいことに挑戦できる環境がそこにありました」
実際、松嶌さんは携わった仕事に対して改良を申し出たことがある。それは車両データの管理表で自身が毎日触るものだ。
「どのホイールがどの車両に適合するのか、装着した際に不具合はでないか、などを管理する表があって当時はエクセルで管理していました。もちろんそれで業務に支障はないのですが、データの操作に慣れている人とそうでない人の差がとても大きかったんです。そこで、誰もが一律に使えるシステムはできないか…と改良を提案したところ通りまして。あぁ、この会社は気持ちよく働くためならすぐに行動してくれるんだ…と感激しました」
肌で感じた高品質の理由
整備士時代に外から見たBBS、そして実際に入社して内から見たBBS。それぞれ印象に違いはあったのだろうか?
「当時は“ワンランク上のホイール”を手がけている高級メーカー、というイメージです。価格ももちろんですが、製品の美しさと軽さがとても印象的でした。注文されるお客様もこだわりの強い方が多くて、取り付けるときもかなり緊張したのを覚えています。お店に製品が入ってくると、まず我々スタッフが総出で見にいくんです、うわぁ〜これがBBSだよって(笑)」
そんな憧れの製品に実際に携わるようになり、「華やかな製品からは分からなかった企業努力を肌で感じました」と松嶌さんは続ける。
「厳密な試験を繰り返し、要所要所で人の目、人の手が入る。精度・強度、そして造形美。数値だけでなく、人の感覚を駆使してそれを作り上げるんです。Made in Japanとして、恥ずかしくないものを作る──。その“こだわり”は、BBSジャパンに所属する社員一人ひとりが自分の心に持っている。自分たちが世の中に送り出す製品に誇りを持っているんです」
そんな環境に自分がいる。多くのお客様が待ち望んでいる製品に自分が携わっているという気持ちはこれまでにはなかった感覚です、と語る松嶌さん。
高岡の新工場が与える影響は?
高岡市四日市に誕生した巨大なファクトリー。まだ本格稼働には至っていないものの、新工場が誕生したことで製品にはどういった影響があるのだろうか。
「四日市にできた新工場は主に塗装を行っています。機械でオートメーション化することにより、これまで以上のスピードと高い精度で塗装を行えるので生産性も今後向上していくはずです」
ただ、と松嶌さんは続ける。
「製品のチェック体勢に変わりはありません。お客さまに最高と言っていただけるものを作るには職人の手、目が必要ですからね」
ホイールを設計する人、クルマとの適合を見る人、鍛造作業を行う人、厳しく検査する人、ショップやメーカーとのやりとりをする人、BBSジャパンではそのすべてが職人であり、それが「Craftsmanship」として根付いている。
今後は「設計にも携わっていきたい」と抱負を語ってくれた松嶌さん。彼が手がけるホイールがどんなモノになるのか、いまから楽しみでならない。