世界を股にかけるBBSジャパンのプレミアム鍛造ホイール。“鍛造”と一口に言っても、使用する金属が異なれば仕上がりも異なるもの。そこで今回は『ジュラルミン』という素材に注目し、素材の特徴やホイールに使用した際の効果などについてご紹介する。

鍛造とは?

鍛造とは、金属に力を加えることで金属内部に鍛流線(たんりゅうせん)と呼ばれる鍛造組織を生み出す技術のこと。この工程により、金属内部の空隙がなくなり、強く粘り強い性質に金属が変化。主に自動車や航空機の部品や包丁や工具などの日用品など、強度が必要な製品によく用いられる。

BBSジャパンが世界に誇る鍛造工程はこちらをチェック↓

ジュラルミンとはどういう金属?

『ジュラルミン』とはアルミ合金の一種で、ドイツの冶金学者アルフレート・ヴィルムが1903年に作ったのが最初だ。

補足:冶金学(やきんがく/metallurgy)とは?
金属の物理的・化学的な性質や新しい金属の研究開発を行う学問のこと。鉱石から金属を採取し、実用可能な金属材料・合金を製造する分野。

ヴィルム氏は、金属に適度な元素を加えることで硬度が増すという考えから、さまざまな金属で実験を繰り返していたが、なかなか思うような結果が得られなかったという。そんなある日、銃砲の火薬を詰める薬莢(やっきょう)を見て、アルミニウムと銅を組み合わせてみることに。
※薬莢は亜鉛と銅の合金である黄銅(真鍮)

アルミニウムに銅4%とマグネシウム0.5%を調合して焼入れを行い、後日硬さを測定するとこれまで以上に硬くなっていることが判明。このときに出来た金属こそが、のちのアルミニウム合金『ジュラルミン』であり、金属の「時効硬化現象」はその際にはじめて発見された現象であった。

ジュラルミンの特徴は、軽量で強度が強いこと。その性質により、強度を必要とする製品への使用を目的に、各国で更なる研究が進められていき、後に新たなジュラルミンも誕生することになる。

超超ジュラルミン(=超々ジュラルミン)ってなに?

ジュラルミンの研究が盛んになったのは、第一次世界大戦(1914-1918)前後。世界情勢的にも、その多くは飛行船の骨組みに採用されてきた。日本での研究もこの頃で、撃墜された飛行船から骨組みを入手した日本海軍が、大手鉄鋼メーカー住友伸銅所(後の住友金属工業)に研究を依頼したことがきっかけだったそうだ。

その後、ジュラルミンを超える強度を求め研究が進み、1928年にアメリカのアルミニウム製品メーカー・アルコア社が『超ジュラルミン』を開発。

さらに8年後の1936年。前述した住友金属工業が、ジュラルミンの弱点でもあった耐食性をクリアし、アルミ合金の中で最も高強度を誇る『超超ジュラルミン』を創りあげることに成功した。

超超ジュラルミンは、鋼と同等の硬度でありながら、その重量は鋼の約3分の1。その性質を活かして航空機や戦艦への開発が進められていき、1940年には日本海軍の零式艦上戦闘機(ゼロ戦)にも採用された。

ちなみに現在我々の身の周りでは、大型旅客機や鉄道の車両、スキー板などのスポーツ用品などさまざまな形で超超ジュラルミンが活用されている。

補足:ジュラルミンの分類について
JIS規格(日本産業規格=Japanese Industrial Standardsの略)により、アルミニウム合金は1000~8000番台までの番号で種類分けされており、ジュラルミンは以下のように分類される。
・2000系…アルミニウムと銅の合金
『ジュラルミン(A2017)』
『超ジュラルミン(A2024)』
・7000系…アルミニウムを主体に、亜鉛・マグネシウム・銅からなる合金
『超超ジュラルミン(7075)』

そんな超超ジュラルミンは、硬度が高い一方で加工の際の扱いが難しく、応力腐食割れという弱点もあった。しかしBBSジャパンはそれを克服。世界に先駆け、いち早く超超ジュラルミンでのホイールづくりに着手したのだ。

補足:応力腐食割れとは?
金属に発生する素材の経年破損のこと。ステンレスや炭素鋼など合金で発生する現象。

ホイールにしたときのメリットは?

BBSジャパンが、なぜ超超ジュラルミンをホイールの素材に採用したのか。それは、常時かかるホイールへの負担を和らげることと、軽量化により加速性能を向上させることが期待できるからだった。

しかし、超超ジュラルミンでのホイール造りはそう簡単なものではない。設計と試作に数年、BBSジャパンにとっては挑戦である。

超超ジュラルミンの軽さや高強度という性質自体は、ホイールの素材として優れていたが、ホイールには強度だけではなくしなりや粘りも求められる。そして前述した腐食割れへの対策も必須。

BBSジャパン独自の開発技術と技術者たちの度重なる努力の結果、回転曲げ疲労試験(=対象物の破壊限界がどの地点なのかを調べて記録する試験)にて、規定である10万回転を見事クリアし、さらに規定を上回る1000万回転を記録!

こうして完成した超超ジュラルミン鍛造ホイールは、従来のBBSホイールから20%の軽量化に繋げることができ、世界で初の製造ということで各国から大きな注目を集めた。

BBSジュラルミンホイールラインアップ

BBSが展開する超超ジュラルミン鍛造ホイールは、『RI-D』『RZ-D』『FR-D』の3種類。ここで各ホイールの特徴について紹介する。

RI-D

画像: RI-D

サイズ展開:19 20 21 inch
カラー展開:ダイヤモンドシルバー(DS)、ダイヤモンドブラック(DB)、マットブラック(MB)

2011年に、BBSジャパンが世界で初めて製造した、超超ジュラルミン鍛造ホイール。5本クロススポーク採用の超軽量モデルで、強度と耐性を誇る超超ジュラルミンの特性が感じられる独創的なデザインが光る。

RZ-D

画像: RZ-D

サイズ展開:19 20 21 inch
カラー展開:ダイヤモンドシルバー(DS)、ダイヤモンドブラック(DB)

美しく伸びやかな弧を描く10本クロススポークを採用した、RI-Dに続く第2弾の超超ジュラルミン鍛造ホイール。ラグジュアリーな雰囲気で、ハイエンドカーの足元にさらなる高級感を演出する。

FR-D

画像: FR-D

サイズ展開:20 inch
カラー展開:ダイヤモンドシルバー(DS)、ダイヤモンドブラック(DB)

Y字を描く、BBSならではのクロススポークデザインをモチーフとした第3弾の超超ジュラルミン鍛造ホイール。超超ジュラルミンの特性を活かした緻密で繊細なデザインが特徴的。

素材の違いに注目し、BBSホイールを知る

ジュラルミンの歴史背景からBBSジャパンの挑戦に至り、さまざまな側面からBBSの鍛造ホイールについて理解が深まったのではないだろうか。他にも『アルミニウム編』『マグネシウム編』を展開中。

また、BBSではホイールの装着イメージがわかるシミュレーションアプリを配信している。くわしくは、こちらをチェックだ。

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