大作の顔をした超B級
本作の舞台は、AIやロボットに管理されたハイテク監獄“ハデス”。牢獄からの脱出のプロ、ブレスリンと彼のチームが、ハデス攻略に挑む。
主演は前作と変わらずシルヴェスター・スタローンだが、70歳オーバーという高齢のためか出番はあまり多くない。彼の相棒として登場するデイヴ・バウティスタの活躍シーンも極端に少なく、メインアクターはブレスリンの弟子(スタッフ)の1人、シューを演じるホァン・シャオミン。
前作では主人公たちが投獄される理由も脱獄するモチベーションもそれなりに理解できる"設定"があったが(とは言え、映画自体はかなりいい加減な作りだったが)本作ではところどころに置かれた伏線が、全く意味を為しておらず、全体的にチグハグさが目立つ。
すスタローンをはじめ、それなりに知られたキャストを揃えながら、どうしてこんな出来になるのか?と不思議極まりない作品。
伏線無視の強引さを楽しめ、ということらしい
本作では、主演とされるスタローンも、その相棒たるバウティスタも、あまり活躍するシーンが多くない。物語もかなりいい加減で、多くの伏線らしき場面が挿入されるのだが、それが回収される様子は全くない。どんな脚本家がこのストーリーをまとめたのだろう、と首を傾げたくなる作りだ。
これでは、ハデスから脱出する前に、この映画そのものから観客が逃げ出してしまうのではないか?と心配になるが、なんと『大脱出3』が既に公開されているということなので、どうやらその心配は杞憂ということだったらしい。
本作の、物語の最後に、このハイテク監獄を作らせた黒幕らしき人物が登場し、ブレスリンたちとの確執が、クローズアップされるのだが、その伏線も、パート3で拾われることなく無かったことにされているらしいので、この映画シリーズの大いなる伏線無視は、いわば確信犯と言えるものなのだろう。
小川 浩 | hiro ogawa
株式会社リボルバー ファウンダー兼CEO。dino.network発行人。
マレーシア、シンガポール、香港など東南アジアを舞台に起業後、一貫して先進的なインターネットビジネスの開発を手がけ、現在に至る。
ヴィジョナリー として『アップルとグーグル』『Web2.0Book』『仕事で使える!Facebook超入門』『ソーシャルメディアマーケティング』『ソーシャルメディア維新』(オガワカズヒロ共著)など20冊を超える著書あり。