ドラッグにハマりどうしても依存症から抜け出せずにもがく青年ニックと、彼の更生を願い必死で寄り添う父親デヴィッド。米国ならではの地獄のような日々の葛藤の中で確かに光る父子の愛情を描いた、実話ベースのヒューマンドラマ。
ニック役を超美形スターのティモシー・シャラメ、デヴィッド役にコメディアンとして人気を博すスティーブ・カレル。制作にはブラッド・ピット率いるPlan B Entertainmentが加わっている。
画像: 映画『ビューティフル・ボーイ』日本オリジナル本予告 4/12(金)公開 youtu.be

映画『ビューティフル・ボーイ』日本オリジナル本予告 4/12(金)公開

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薬物依存症に苦しむ息子に対する父親の気持ちが垣間見られるタイトル

タイトルになっているBeautiful Boyとは、(挿入歌にもなっている)ジョン・レノンの名曲「Beautiful Boy」に由来している。

元々成績優秀で運動神経も良かったニックに対する、父親の切ない気持ちが込められたタイトルだ。

ドラッグ依存症の悪夢をリアルに描く

本作は、父親と息子がそれぞれ書いた、依存症に陥り脱するまでの数年間の葛藤の日々を綴った回顧録に基づいている。

実話ベースだけに、ドラッグに手を出すきっかけの安易さも、依存症に陥って、立ち直ってはまたハマっていくその悪循環も実に淡々としていて、それが逆に異様にリアルだ。一度ハマったらなかなか抜け出せないドラッグ依存症の悪夢は、簡単に中毒者の気持ちの弱さだと非難できるものではないということを強く感じさせるものだ。

ありとあらゆる種類のクスリに手を出し、より強い中毒性のある薬物に囚われていくニックを演じるティモシー・シャラメは、1995年12月27日生まれの、フランス系の米国俳優(米仏の二重国籍とのこと)。たいていの日本人にはまだ馴染みが薄いだろうが、その美形ぶりに多くの映画誌やファッション誌に取り上げられている次世代スターだ。
本作においても、薬物中毒に苦しみながらもタイトル通りの“美しい少年”の印象を崩すことなく、観るものを惹きつけることに成功している。やはり性別に関係なく美しい見た目は大した武器になる。

すべてを超えた愛を与えてくれる存在を持てることの幸せ

本作はあまり劇的な展開はなく、ただ薬物中毒から抜け出せずに苦しむ若者と、彼を心配し続ける大人たちの姿を描く、淡々とした作品だ。制作に加わったPlan Bが手がけた『ムーンライト』に共通するが、彼らはこういう“感じ”が好きなのだろう、あまり商業的な大成功を狙わない、芸術思考をベースにしていると言えるのかもしれない。

ちなみに、ニックとデヴィッドは、再会するたびに強くハグし、すべてを超越した愛情を意味する「Everything(すべて) 」と呟きあうのだが、その深く強い愛情も 無情に繰り返す薬物中毒による依存症を即座に断ち切ることができない。
できないのだが、それでも倦むことなく諦めることなく見捨てることなく デヴィッドはニックを愛し続ける。彼がいつか立ち直ることを信じてやまない。
つまり、インパクト勝負ではなくロングラスティング(長く続き、切れることのない連続性)こそが真の愛なのだと感じさせてくれる。

キリスト教には、放蕩息子の帰還を喜ぶ父親について触れる話があるが、本作もまた 立ち直ろうとしては何度もドラッグ使用に引き戻される中毒者の息子を、決して見捨てない父親を描いている。薬物への依存症の恐ろしさを垣間見るとともに、“すべてを超えて”愛してくれるような存在を得られたニックが、類稀な幸福者であるのだと感じざるを得ない。

画像: 『Beautiful Boy ビューティフル・ボーイ』

小川 浩 | hiro ogawa
株式会社リボルバー ファウンダー兼CEO。
マレーシア、シンガポール、香港など東南アジアを舞台に起業後、一貫して先進的なインターネットビジネスの開発を手がけ、現在に至る。

ヴィジョナリー として『アップルとグーグル』『Web2.0Book』『仕事で使える!Facebook超入門』『ソーシャルメディアマーケティング』『ソーシャルメディア維新』(オガワカズヒロ共著)など20冊を超える著書あり。

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