年間100本以上の映画やドラマを鑑賞する筆者が独自視点で今からでも・今だからこそ観るべき または観なくてもいい?映画作品を紹介。
ロミオとジュリエットをモチーフとした伝説のミュージカル、『ウエスト・サイド・ストーリー』を巨匠スティーブン・スピルバーグ監督が再定義。「ベイビー・ドライバー」のアンセル・エルゴート演じる白人青年トニーと、レイチェル・ゼグラーが演じるプエルトリコ美女のマリアとの禁断の恋が、白人少年たちとプエルトリコ人少年たちの二つの敵対する不良グループの分裂を深化させていく様子を描く。

貧しさゆえの対立

貧しい白人の若者のギャングとプエルトリコ移民の若者のギャングは、再開発が進む下町にしがみつく、貧困層の出身であるということに関しては全く同じだ。

カネがあり裕福であれば、誰かを強く憎む必要はなくなるのだが、貧乏生活の中においては、強い感情で自分がコントロールできない対象へ憎悪を向けなければ、到底日々の辛さに耐えきれない。経済的に追い詰められた国民の苦しみや怨嗟をよそに向けるために、施政者が他国への戦争を仕掛ける構図と同じだ。

ミュージカル嫌いな人でも多分楽しめる

ちなみに、僕はミュージカルが苦手、あまり好きでない。なので本作を正当に評価する資格がないのだが(突然踊り出したり歌い出されるのが、どうにも慣れない)、本作のダンスも唄もさすがの一言なので、ミュージカル好きな人は旧作との比較をしてでも 本作に及第点を与えられることと思う。

ちなみに、本作の出演者は、トニー役のアンセル・エンゴート以外は見覚えがなく、おそらくは無名の役者か本職のダンサーなのだろうと思った。アンセルの歌声は素晴らしかったが(ハリウッド俳優はなぜみんな多才なのだろう)、どうせならトニー役も市井の若手無名の演者を抜擢したほうがよかったかもしれない。アンセルはある意味見慣れたスターなので、逆にちょっと浮いてみえたのだ。
ヒロインのマリアを演じているレイチェル・ゼグラーはスピルバーグ監督自らスカウトしたとのことだが、プエルトリコ女性らしく小柄で可愛らしい女優だし、その歌声は超絶素晴らしかったが、その容姿は少し物足りなかった。トニーとマリアが互いに一目惚れするのがストーリーの起点なのだから、誰もがハッとするような美貌でなければ説得力がないのではないかと思ったが、それは僕だけの感想かもしれない。

画像: 『ウエスト・サイド・ストーリー』スピルバーグ監督による再映画化されたミュージカル映画の傑作

小川 浩 | hiro ogawa
株式会社リボルバー ファウンダー兼CEO。dino.network発行人。
マレーシア、シンガポール、香港など東南アジアを舞台に起業後、一貫して先進的なインターネットビジネスの開発を手がけ、現在に至る。

ヴィジョナリー として『アップルとグーグル』『Web2.0Book』『仕事で使える!Facebook超入門』『ソーシャルメディアマーケティング』『ソーシャルメディア維新』(オガワカズヒロ共著)など20冊を超える著書あり。

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