互いが共鳴し、空間全体で音楽を奏でる
光と音を作り出すインスタレーションは、水が流れている水盤エリアと芝生エリアのふたつに分かれており、オーケストラの演奏台をイメージした6面体のモニュメントが6つ設置してある。そのモニュメントの周りに光の柱が小編成オーケストラのように囲っている。
このモニュメントを打楽器のように叩くことで、音と光が連動していくインタラクティブな体験ができる。それぞれ独立したモニュメントは合計36種類の音色と光を発し、複数の体験者によって共鳴するように空間全体で音楽を奏でることができる。
また、庭園の中にスピーカーが設置されているため、自分が作り出した音が庭園の中にも伝わるようになっている。さらに、“調律モード”と言われている30分に1回約30秒間の特別演出が実施される。オーケストラが演奏前に一斉に調律をするように、NFによって作りだされた音と光が会場全体を包む。
屋上でのインスタレーションは「NF」として初の試み
サウンドクリエイションは、「NF」のサカナクション山口氏とサウンドデザイナーの黒瀧節也氏がプロデュース。「NF」は、音楽のみならず、ファッションやアート、テクノロジーなど様々な分野を取り上げ、音楽に関わる音楽以外の新しいカタチを提案しているプロジェクトだ。
今回、参加型インスタレーションのプロデュースおよび屋上・長期開催はNFにとって初の試みとなり、発起人である山口氏は、「アップデートしている世の中、ミュージシャンとしての表現の場がライブや音源など限られているという点に違和感を感じている。ライブの演出と同様、目には見えない心に触れる空間を創造し、自身の取り組みを通して、ミュージシャンの表現の場がもっと増えれば良い。」とコメントする。
山口氏は、このイベントを手掛けるにあたり銀座という街の歴史から振り返り、自身が銀座に足を運んだ際に銀座ならではの空気感があると感じた。そんな銀座の街中に、音楽が自然と流れていて、くつろぐことができる空間を作りたいという想いから空間づくりに取り組んだ。水盤エリアでは、椅子や足場が設置されており大人にとって普段入りにくい水辺に足を踏み入れやすくしたとのこだわり。作曲者のいないオーケストラをテーマにしているNFのひとつの作品として今後もアップデートしていきたいとのこと。
山口氏は、インスタレーションを活用したイベントの開催やNFグッズの製作も検討している。また、GINZA SIX館内各所にて、NFによるメイキングムービーも配信される予定だ。
所在地 | 東京都中央区銀座6-10-1(GINZA SIX屋上庭園) |
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実施期間 | 2019年8月6日(火)~10月31日(木) |
時間 | 日没〜23:00まで |
公式サイト | https://ginza6.tokyo/ |