FRANCK MULLER
1986年に発表した「フレー・オシレーション(自動振動)トゥールビヨン」により、その名を世界に知らしめたフランク ミュラー氏。その後、ジャンピングアワー機能付きのレギュレータータイプの文字盤を持つトゥールビヨンや、スプリットセコンド・クロノグラフ 、ミニッツリピーター、ワールドタイムなどを搭載した名作を次々に発表し「ブレゲの再来」とまで呼ばれるほどに。そんな同氏が「自分の時計を望む人たちのために、良い時計を届けたい」という思いから1992年に立ち上げた時計メーカーが、フランク ミュラーのはじまりである。
「時」という呪縛から解放されるための1本
『トノウ・カーベックス シークレット・アワーズ』。フランク ミュラーの遊び心もここまできたか、というのが率直な感想だ。
というのも本モデルは、腕時計の存在意義である「時を知る・時を刻む」という前提を覆したモデルで、操作をしないと“いまが何時なのか分からない”時計なのだ。
なんでそんなことを? と思うだろうが、実はここにはフランク ミュラーならではの「時の解釈」がある。ずばり、時に追われて生活する人に対してのアンチテーゼだ。
何かに夢中になったとき、大切な人と過ごすとき、おそらく多くの人は時が経つのも忘れて没頭することだろう。理想と現実の狭間で、少しでも長く「時間」を気にせず濃密なときを過ごしてほしい──これがフランク ミュラーがシークレット・アワーズを手がけた理由なのだ。
では、実際にその動きを見てみよう。
デフォルトで動いているのは秒針のみ。時針・分針は常に12時を指しており本来の時間は分からない。時間を確認するときは、左サイドのボタンをプッシュ。すると針がジャンプし正確な時間を指してくれるというわけだ。
こうした大胆なギミックが施されている本モデルだが、それが展開される文字盤はとても繊細で、非常に手の込んだつくりになっている。その象徴が、中央から放射状に広がるギヨシェ彫りだ。
美しく刻まれたギヨシェ彫りの上を飾るのは、フランク ミュラー時計の特徴でもあるビザン数字を用いたインデックス。トノウという独特の形状をした盤面において、完璧なバランスで要素を配置しているのはさすがである。
本モデルは、日本国内で流通しているフランク ミュラー時計としては最大の8880サイズで、腕に乗せたときの存在感も抜群。目立つうえに、一見しただけでは動いていない? と思わせる仕掛けもユニークで、話題になることは間違いない。
時に追われる毎日を少しでも和らげたい方、いまこそシークレット・アワーズを相棒に日々を過ごしてみてはいかがだろうか。
FRANCK MULLER
シークレットアワーズ
品番:8880 SE H
素材:ホワイトゴールド
サイズ:縦55.5㎜×横39.5㎜
防水:日常生活防水
ムーブメント:自動巻き
文字盤:シルバー
販売価格:980,000円(税込)※USED
参考定価:2,981,000円
【付属品】
なし
※価格は2022年5月現在のMOON PHASE銀座店・販売価格です。
MOON PHASE 〜STAFF VOICE〜
フランク ミュラーの時計はどれもエッジが利いていてとても魅力的ですが、シークレット・アワーズほどウィットに富んだ時計はありません。
時間を見るのにひと手間かかるので不便かと思われるかもしれませんが、古くは懐中時計、現代でいえばポケットからスマートフォンを取り出しての時間確認、という手間を考えればそこまで意識することもないでしょう。そもそも不便だと思う方は買いませんしね(笑)
シークレット・アワーズは流通量が少ないので、中古で出回ることはなかなかありません。もし探していたという方は、ぜひこの機会にお手にとってみてください。
所在地 | 東京都中央区銀座1-6-6 GINZA ARROWS1F |
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TEL | 03-5250-7272 |
営業時間 | 11:00〜19:00(日曜祝日〜18:00まで) |
定休日 | 水曜日 |
公式サイト | https://moon-phase.jp/ |