ウェアラブル=時計という概念から脱却
ウェアラブルデバイスと聞くと真っ先に思いつくのは、アップルウォッチに代表されるスマートウォッチだろう。しかし、今回トリニティが開発・発表したデバイスは、ウェアラブルデバイス=時計という図から脱却したまったく新しいもの。
スマートウォッチは、スマートフォンとの連携により、メッセージやスケジュールの確認、消費カロリーや心拍といった日常の記録を行う。その機能を最大限に生かすには、毎日の装着が基本。しかし、これまでのスマートウォッチは、バンドをいくら着飾っても、もっとも目立つフェイスの部分が変わらないためTPOに合わせるには限界があった。
であれば、無理に時計という形態を取らずに、ファッション的にもより自由なリストバンドとして出したらどうか。これが今回発表された「ウェアラ」の基本概念である。そのため、ウェアラは、モニターのない本体と、リストに装着するためのバンドというとてもシンプルな構成となっている。
ウェアラでできること
ウェアラが目指すのは、個人の生活スタイルの改善、つまり「健康増進」である。そのために必要な要素「食事・運動・睡眠」のうち、運動と睡眠にフォーカス。本体には3軸加速度センサーや気圧・気温センサー、光学式心拍センサー(PPG)、温度センサー(サーミスター)を内蔵し、利用者の運動や睡眠データを収集。
データを管理するアプリやクラウドサーバーは日本のチームがオリジナルで開発し、美しいデザインとUIで使い勝手も抜群。日々の活動データや睡眠データに基づく総合的な「サジェスト」を表示し、利用者がより健康的な生活を送るためにやるべきことを提案してくれる。
ウェアラブルデバイス一番の敵は「飽き」
使い続けることでデータが溜まると、利用者の生活サイクルを判断し統計分析。そこからより良い改善提案がされる。こうした機能はこれまでのデバイスでも見られたが、数字だけを眺めているとどうしても“飽き”がきてしまうもの。そのため、使い続けられる仕掛けを用意した。
それが活動や睡眠の目標に取り組む「ミッション」、さまざまなアクティビティを達成すると獲得できる「バッジ」、そのバッジの獲得数に応じてステータスが変化する「クラス」だ。
ミッションは、個人で挑戦するもの、利用者全員参加型のものなど多種多様。さらに、自分がこれまで歩いた距離を日本地図に照らし合わせて可視化してくれる「マップ」機能など、数値を確認するだけではない楽しみ方も提供してくれる。
睡眠改善に本気です
世の中に睡眠アプリは多々あるものの、実際にそれらは独自のアルゴリズムによって計算されており、その数値はアプリによってバラバラ。
ウェアラは、もっとも正確な数値を出すことのできる医療技術PSGや、AMI社のアクチグラフを元に、睡眠評価研究機構の白川修一郎氏を監修者として睡眠計測アルゴリズムを構築。より正確な睡眠スコアを算出し、利用者の生活改善を促してくれる。
未来のためにデータを活用
ウェアラから得た継続的な生体情報や付帯情報は、匿名化し、ユーザーの同意を得たうえで筑波大学国際総合睡眠医科学研究機構にて解析。利用者のデータから、今後の疫学に役立つデータが発見されることも期待されている。
いくら匿名とはいえデータの送信に抵抗のある方もいるだろう。もちろん、これは拒否も可能。それによりサービスが限定されることもないので安心してほしい。