かつて20連続でその王座を守ってきた無敵の王者トリプル・ジー(GGG)こと、ゲンナディー・ゴロフキン。カネロ・アルバレスとの第二戦で敗れてタイトルを失ったものの、2019年10月にIBF王者に返り咲き、今回が改めての初めての防衛戦。スポーツ動画専門配信サービスのDAZNの独占中継だ。

結果はゴロフキンの圧勝だが・・

試合は無観客試合として行われた。
DAZNによって世界に配信されるため、それなりの賑やかさと華やかさを与えられた会場はそれほどの寂しさは感じられない。(もちろん大観衆の熱気を感じながら闘えることのアドレナリン噴出ぶりは恋しいが)観客を設けないことにより、今後はこうしたスーパーファイトを開催できる“箱(会場)”の選択肢が増えるだろうから、配信のみを前提とした催しがイベント戦略のみを軸となることで、興行ビジネスは新しいカタチへと進化していくのかもしれない。

そんな環境の中、いつものように屈託のない笑みを満面に浮かべながらゴロフキンは入場してきた。対するシェルメタはかなり緊張した面持ち。

ゴロフキンに勝つには、彼の攻撃力やタフネスを舐めてかかる必要があるのに、シェルメタには、伝説的な王者とあいまみえることへの敬意しかないように見える。

果たして試合が始まると、カネロやデレビャンチェンコがトライしたようにゴロフキンに圧力をかけ返すことができないシェルメタは、ただまともにゴロフキンの前に立ち続け、結果としてゴロフキンの強打を受けまくるだけになった。ゴロフキンは多少打たれようがグイグイ前に出てくる。柔軟なカラダに支えられた打たれ強さと剛拳を信じて止まないそのスタイルに対抗するには、彼を下がらせるしかないのだが、シェルメタはゴロフキンにとって最もやりやすい距離に身を置いたまま打たれる。シェルメタのパンチもゴロフキンを捉えるが、ゴロフキンを下がらせるだけのパワーが込められていない。

結局、シェルメタはダウンを繰り返し、やがて心を折られてしまう。
7ラウンドが終了したところで試合を投げ、コーナーから立ち上がろうとはしなかったのである。

こうしてゴロフキンは第7ラウンドTKO勝ちを収め、通算21度目の王座防衛(現有のIBFタイトル防衛としてはV1)を果たした。

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形としては圧勝となり、ゴロフキンここにありという狼煙をあげることに成功したので、カネロとの第3戦への実現性は高まったかもしれないのだが、僕自身は 今回の試合はシェルメタが為すべきことを為さなかった、勇気を振り絞ってゴロフキンからのプレッシャーを押し返して彼を下がらせる展開を実現できなかっただけ、という感じがしていて、ゴロフキンの衰えを否定することにはなっていない、という気がしている。(もちろん、グローブに石が入っているのではないか?とさえ言われた豪打は健在だったが、それでも相手の意識を断ち切るような勝ち方ではなかったし)

ゴロフキンというボクサーは大好きだし応援しているのだが(だからまだ引退せずにもうしばらく輝きを放って欲しいと思っているのだが)、今回の試合は単に真面目な男
(シェルメタ)が自滅しただけの結果にみえて仕方なく、ゴロフキンの力の証明にはなっていないのではないか?と思っているのである。

画像: www.dazn.com
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画像: 【速報】IBF世界ミドル級タイトルマッチ〜ゲンナディー・ゴロフキンvsカミル・シェルメタ

小川 浩 | hiro ogawa
株式会社リボルバー ファウンダー兼CEO。dino.network発行人。
マレーシア、シンガポール、香港など東南アジアを舞台に起業後、一貫して先進的なインターネットビジネスの開発を手がけ、現在に至る。

ヴィジョナリー として『アップルとグーグル』『Web2.0Book』『仕事で使える!Facebook超入門』『ソーシャルメディアマーケティング』『ソーシャルメディア維新』(オガワカズヒロ共著)など20冊を超える著書あり。

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