ドライバーが意のままに操れる究極のクルマを作りたい──。ホンダエンジニアたちの夢である最速・最高のクルマが、2020年に「シビック TYPE R リミテッドエディション」として誕生した。その開発には、鍛造ホイールメーカー「BBSジャパン」の協力が不可欠だったという。ここでは、ホンダとBBSがいかにして究極の1台を作り上げたのか、その背景をご紹介していこう。
画像1: 【Honda×BBS】『史上最速のシビック』専用鍛造ホイール開発秘話

本当につくりたいクルマを求めて

ドライバーが思い通りに操り、誰よりも速く駆け抜ける。走ることに魅了された人たちに『運転する楽しさ』を感じさせてくれるもの。

それが、ホンダの開発者が“本当につくりたいクルマ”であり、ホンダがつくるスポーツモデル・TYPE Rだ。

これまでのTYPE Rは計10モデル。1992年のNSX-Rを皮切りに、インテグラ TYPE R(1995)、シビック TYPE R(1997)と、ベース車両のモデルチェンジごとに作られてきた。

しかし、その開発の流れは2017年に大きく変わることになる。

ここからは、2017年のシビックTYPE Rから開発責任者を務める柿沼 秀樹さんに、その開発秘話と、今回新たに誕生した『TYPE R リミテッドエディション』についてお話を伺った。

画像: 2020年の新たな試みとしてTYPE Rにリミテッドエディションを設定

2020年の新たな試みとしてTYPE Rにリミテッドエディションを設定

新たなアプローチでつくられたシビック TYPE R

「2017年以前のTYPE Rは、速さの足かせになるものはすべて削ぎ取る……といった手法で作っていました。ある意味日常生活での使い勝手はスポイルされていた部分もあるんです」

なぜそうなっていたか?については、ベースモデルの開発段階まで遡る。

「当時のNSX、インテグラ、シビックは、『TYPE R』という考えのない状態で設計されたものでした。なので、速さを追い求めるには外せるものは外して、バネもダンパーも硬くして、ボディ剛性が足りなければ補強して……というレーシングカー製作と同じ手法でつくっていたんです」

しかし、時が経つにつれ技術力も向上。一方でスポーツカーに求められる性能も変わり始めた。速さだけではなく、快適性や多様性も重要視されるようになってきたのだ。

そこでホンダのエンジニアたちは、これまでの製作工程から大きく舵を切ることを決意。そうして誕生したのが、ベースモデルと“同時開発”で生まれたシビック TYPE R(2017)である。

画像: 本田技研工業 オートモービルセンター 第11技術開発室 開発戦略ブロック 主任研究員の柿沼 秀樹 氏

本田技研工業 オートモービルセンター 第11技術開発室 開発戦略ブロック 主任研究員の柿沼 秀樹 氏

「TYPE Rを念頭においたベースモデルの開発に加え、電子制御ダンパーやサスペンションの進化によって、シーンに合わせて臨機応変に性能を変えることができるようになりました。速さを求めるために何かを犠牲にしなくてもよくなったんです」

柿沼さんは、2017年のシビック TYPE Rはひとつの到達点であったと語る。しかし、その道のりはまだまだ未来へと続いてゆく。そう、大きく見ればそこは「通過点」に過ぎないのだ。

「あれから3年経った“今”だからこそできることがある。それをとことん突き詰めたものが、今回手掛けた2020年のシビック TYPE Rなんです」

画像: 新たなアプローチでつくられたシビック TYPE R

新たな試み リミテッドエディションとは?

エンジン冷却性能の向上、エアスポイラーの形状変更による空力性能の向上、2ピースディスクブレーキ採用によるブレーキ性能の進化。最新技術を基にあらゆるところに手が加えられ、マイナーモデルチェンジとは思えないほど進化した2020年のシビック TYPE R。

この特別な1台は唯一無二……と言いたいところだが、実は今回さらにその上がある。そう、リミテッドエディションだ。

「2017年のシビック TYPE Rから販売網を世界に広げたことで、これまで以上にTYPE Rに触れる人が増えました。称賛の声をいただく一方で、『もっと特化したものを!』という声があったのも事実です」

今できる最高の技術でモデルチェンジした2020年のシビックTYPE R。それを“ベース”に「速さと操る喜び」をより追求したらどうなるか。エンジニア達の心に「つくりたい!」という欲求が生まれた以上、カタチになるまで突き進むのがホンダのモノづくりである。

とはいえ、すでに最高を目指して作られた1台だ。ここからさらに……は、かなり苦難の道であることは想像に難くない。

「速さと操作性をより向上させるためには、やはり“軽さ”が必須だろうと。そこで軽量化を図ることにしたんです」

BBSジャパンと共同開発・シビック専用鍛造ホイール

よりスポーツフィールを高めるためにボディの防音材をカットし、約13kgの軽量化を実現。しかし、走行性能に直結するバネ下重量の軽量化こそが本題だ。

そこで柿沼さんは、NSXやS2000の鍛造アルミホイールを担当したBBS社に、シビックTYPE R専用の鍛造ホイールを共同開発できないか打診したという。

「鍛造アルミホイールで行こうと決めた時点で、僕の中にはBBSさんしかなかった。もちろん、開発関係者には相談しました。でも、専用ホイールとして、デザインはもちろん、クルマの性能を100%引き出せるものはを作れるのは? 我々が望むものをかなえてくれるのはどこか? を考えたときに、みんなの答えは一つだった」

画像: インタビューは2020年2月の車両発表会にて

インタビューは2020年2月の車両発表会にて

「そこで、BBSさんにイチからプロジェクトを説明して『こういうクルマを作りたいんです。一緒に作りましょう!その技術を貸してください‼︎』とお願いしました。いや、誘惑に近かったかもしれません(笑)」

BBS社はもちろん快諾。こうしてホンダとBBSの挑戦が始まった。目指すはバネ下10kgの軽量化だ。

ここからのインタビューは、開発担当の竹内 治さんにバトンタッチ。ホンダとBBSが共同開発した鍛造ホイールの詳細についてお話を伺った。

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