これまでのモータースポーツ界に一石を投じるレースとして注目されているインタープロトシリーズ。マシンの性能に左右されないドライバー同士の純粋な技術競争は見る者を圧倒、多くのファンを魅了している。今回はインタープロトシリーズの発起人である関谷正徳氏に、立ち上げの背景と見どころを聞いた。

専用開発されたレーシングカー“kuruma”

専用開発されたレーシングカー「kuruma」は、4リッターV6エンジンをミッドシップレイアウトで搭載。ABSやトラクションコントロールといったドライバーをサポートするシステムはすべて排除され、ドライバー同士の争いがより楽しめる設計となっている。

kuruma スペック
●全長/全幅/全高/重量:4,410mm/1,950mm/1,150mm/1,100kg●ホィールベース/トレッド:2,800mm/1,660mm●シャシー:カーボンコンポジット&パイプフレーム●ボディ:カーボン製●エンジン:V6 3,950cc●パワー/トルク:340ps・6,400rpm/45kgm・4,000rpm●トランスミッション:Ricardo 500Nm6速シーケンシャル・トランスアクスル・ギヤボックス●ギヤシフト:ギヤシフトCOSWORTH エレクトリックセミオートマチック・システム&ステアリング・パドル●クラッチ:OGURA 5.5インチ スチール・トリプルプレート●燃料タンク:ATL FT3スペック 100ℓ●エアジャッキ:AP 230mmストローク●消火器:LIFELINE Zero2000 FIA 4.0ℓ エレクトリック●ステアリングシステム:パワーアシスト付 ラック&ピニオン●シート&シートベルト(2座席装備):BRIDEバケット/TAKATA 6点式ベルト●サスペンション:ダブルウィッシュボーン・プッシュロッド式●ダンパー/スプリング:Fightex リザーバー付 2ウェイ・アジャスタブル/Swift コイルスプリング●ブレーキシステム:Endless キャリパー(Fr:6ポッド/Rr:4ポッド)ディスク(Fr/Rr:380mm)、パッド APマスターシリンダー 前後バランサー装備●タイヤ:YOKOHAMAFr 280/650/18 Rr 280/680/18●ホイール:BBS(Fr)11J×18°(Rr)11J×18°センターロック・タイプ●ECU:PECTEL SQ6M ECU●ダッシュボード&データロガー:Pi Research OMEGA ダッシュロガー&Toolbox解析ソフトウエア

ホイールにはBBSを採用

ここで特筆したいのは、kurumaにはBBSのアルミ鍛造ホイールが採用されている点だ。関谷氏にBBSホイール採用の理由を聞いた。

画像: ホイールにはBBSを採用

「僕の考える“新たなモータースポーツのカタチ”に共感してくれた、というのが第一ですね。これはBBSさんだけじゃなくて、すべてのサプライヤーさんがそうです。あとはそのパーツに対する信頼ですね」

モータースポーツというのは非常に過酷な世界だ。限界走行をする中で、すべてのパーツが酷使され摩耗していく。そうした環境において「“問題がない”というのはとても大きい」と関谷氏。

「例えば、新進気鋭のメーカーが『このホイールを使ってほしい』と言ってきたとします。そうなったとき、僕らはレースを製品テストの場所にはできないわけですよ。とくにホイールやタイヤというのは何かあったら危険に直結するもの。そうしたパーツにおいて、一番大切なのは“信頼できるかどうか”以外にありません」

“信頼”とは実績の積み重ねだ。いくら名前が知れていても、それが信頼に直結することはない。

画像: レーサーとして、監督として、そしてモータースポーツを愛する者として思いを語る関谷氏。その瞳が見据えるのは日本のモータースポーツの未来だ

レーサーとして、監督として、そしてモータースポーツを愛する者として思いを語る関谷氏。その瞳が見据えるのは日本のモータースポーツの未来だ

画像: 足回りの不備は事故に直結する。厳しい目でみたときに信頼できる否か、それがレースでは必要不可欠だという ©株式会社インタープロトモータースポーツ drivingathlete.com

足回りの不備は事故に直結する。厳しい目でみたときに信頼できる否か、それがレースでは必要不可欠だという

©株式会社インタープロトモータースポーツ
drivingathlete.com
画像: もちろん関谷氏が信頼を寄せるのはBBSだけではない。車両を構成するすべてのパーツが信頼を獲得し採用されているのだ ©株式会社インタープロトモータースポーツ drivingathlete.com

もちろん関谷氏が信頼を寄せるのはBBSだけではない。車両を構成するすべてのパーツが信頼を獲得し採用されているのだ

©株式会社インタープロトモータースポーツ
drivingathlete.com

「BBSというブランドだから使っているわけじゃありません。また、僕はホイールの専門家ではないから細かい性能の違いなども分からない。唯一はっきりしているのは、これまでさまざまなレースでその製品が使われてきて何も問題が起きていないという実績です。それを見て信頼するに足るかどうか。それが大事なところです。BBSは高い信頼を寄せることができる大切なパートナーですよ」と関谷氏。

画像: kurumaには、BBS(Fr)11J×18°(Rr)11J×18°センターロック・タイプが採用されている

kurumaには、BBS(Fr)11J×18°(Rr)11J×18°センターロック・タイプが採用されている

インタープロトを楽しもう!

当記事をご覧のみなさんの中には、インタープロトシリーズを初めて知ったという方もいることだろう。そんなみなさんに向けて、関谷氏にレースの見どころを聞いた。

「コンセプトにある通り、インタープロトはドライバー同士の運転技術競争が最大の見どころです。スタートからゴールまで、距離にして約50kmほど走行して0コンマ何秒という差で勝敗が決まる。それほどまでに接戦で手に汗握る戦いが繰り広げられます」

インタープロトシリーズは2021年で9年目。2017年にはインタープロトのコンセプト「ドライビング・コンペティション」を引き継いだ女性ドライバー限定レース『KYOJO CUP』も誕生するなど、ますます盛り上がりを見せている。

関谷氏が思い描く日本のモータースポーツは、確実に新たな一歩を踏み出し始めているのだ。

「開催を重ねるたびに技術レベルも上がってきていて、これから先もっともっと盛り上がっていくことは間違いありません。未体験の方はぜひ見てみてください」

インタープロトシリーズ及びKYOJO CUPは、よりサーキットを身近に楽しんでもらいたいという思いからパドックを無料開放していたり、ドライバーのトークショーがあったり、キッズブースや女性向けの催し(ネイルやマッサージなど)も行っていたりと多彩なイベントを展開している。
※新型コロナウイルス『COVID-19』の影響で休止の場合もございます。

次回のインタープロトシリーズとKYOJO CUPは2021年12月11日(土)・12月12日(日)に開催予定。ぜひドライバー同士の熱いバトルと大迫力のサウンドを体感しに、富士スピードウェイに足を運んでみてほしい。(スケジュール等詳細は公式HPにてチェック)

ちなみにインタビュー当日は、AIMレジェンズ・クラブ・カップ2021も併催。関谷氏をはじめとしたモータースポーツ界のレジェンドによる「AIM Legend's Club Cup2021(レジェンズ・クラブ・カップ)」も行われた。こうした併催レースを見ることができるのもサーキット場ならではの楽しみだ。

画像: 日本のモータースポーツを盛り上げ支えてきたレジェンド達。中央に映る車両はKYOJO CUPでも使われているレーシングカー「VITA-01」だ

日本のモータースポーツを盛り上げ支えてきたレジェンド達。中央に映る車両はKYOJO CUPでも使われているレーシングカー「VITA-01」だ

画像: Car.No.37は関谷氏がドライバーを務めた

Car.No.37は関谷氏がドライバーを務めた

画像: 17名のレジェンド達の夢の競演

17名のレジェンド達の夢の競演

画像: BBSジャパンの顧問も務める柳田春人氏

BBSジャパンの顧問も務める柳田春人氏

画像: 今大会が初参加となる元F1ドライバーの片山右京氏

今大会が初参加となる元F1ドライバーの片山右京氏

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