引退したヘビー級王者ロッキー・バルボアは、かつてのライバルであり親友であった アポロ・クリードの息子 アドニス・クリードを一流のボクサーに育て上げ、ヘビー級チャンプにまで登り詰めさせることに成功する。
しかしそのことによって、アポロをリングで倒し、死に追いやったロシア人ボクサー ドラゴの息子ヴィクターが、最強の挑戦者となってアドニスの前に立ち塞がることになる。
大人気ボクシング映画の『ロッキー』シリーズの正統な後継シリーズの第二弾。
画像: BD/DVD【予告編】『クリード 炎の宿敵』5.10リリース youtu.be

BD/DVD【予告編】『クリード 炎の宿敵』5.10リリース

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『ロッキー4』に登場した最強ボクサードラゴが再登場

アポロを倒し、ロッキーの前に敗れたロシア人ボクサー ドラゴ。一度の敗北によって、国家の威信を傷つけたとして地位も金も愛する妻も失うことになった彼は、自身の息子を鍛え上げ、スピードとパワーを兼ね備えた強靭なファイターへと育て上げていた。

ロッキーへの私怨は今やロッキーの愛弟子であるアドニスに向けられ、ドラゴ親子は失った栄光を取り戻すべく、さまざまな手段を使ってアドニスが持つヘビー級王座を奪う機会を得ようとする。

ボクシングシーンは残念だが

ロッキーシリーズ全体に言えることなのだが、物語は基本的に至極シンプルで、主人公の前に避けられない災厄のような強敵が現れるが、昔ながらの厳しい鍛錬を耐え抜いた主人公が苦戦の末に打ち勝つ、それだけだ。

もちろん伏線はいろいろあって、今回は親子の情がテーマで、ロッキー自身もそうだしアドニスも父親になるし、そもそも彼らの前に立ち塞がるのも、ドラゴ親子だ。だが、基本テーマである「戦いのドラマ」の前に、これらのスパイスは薄く存在感が乏しく、もっとはっきりいうと、ちょっと邪魔だ。

また、同じく本シリーズに言えるのだが、ファイトシーンは迫力はあるものの真のボクシングとは程遠く、ちょっと大袈裟かつ大仰にすぎるのだ。ボクシングのファイトは再現が難しいのかな?と思ったりもしたが同じ親子の情愛をテーマにしたボクシング映画『サウスポー』のファイトシーンを見ると(←つまり、この映画のファイトシーンは実に素晴らしい)そんなことはないな、あくまで演出者の違いなのだろう。

おいおい、そんなにケチをつけるなよ、と言われそうだが苦笑、映画自体は悪いわけではない。そもそも、スタローン演じる老いたロッキーを見るだけで十分と言えるし、常にお約束のストーリーに今更ケチをつけても始まらない。
アドニス・クリードを演じるマイケル・B・ジョーダンや、ヴィクター・ドラゴを演じるフロリアン・ムンテアヌ(実は彼は現役の、つまり本物のヘビー級ボクサー!)の素晴らしい肉体を鑑賞するだけでも価値がある。
つまりは本作は、一貫して変わらない、お決まりの流れの中で闘う男たちを黙って眺めればいい、そういう映画なのである。

画像: 『クリード 炎の宿敵』黙って男たちの筋肉美を見つめよ。

小川 浩 | hiro ogawa
株式会社リボルバー ファウンダー兼CEO。dino.network発行人。
マレーシア、シンガポール、香港など東南アジアを舞台に起業後、一貫して先進的なインターネットビジネスの開発を手がけ、現在に至る。

ヴィジョナリー として『アップルとグーグル』『Web2.0Book』『仕事で使える!Facebook超入門』『ソーシャルメディアマーケティング』『ソーシャルメディア維新』(オガワカズヒロ共著)など20冊を超える著書あり。

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