第46回 東京モーターショー2019が開催。2019年10月23日のプレスデーにて、川崎重工(カワサキ)は、スーパーネイキッドZシリーズのフラッグシップとして、超絶のハイパワーと公道での扱いやすさ、そして優れた燃費性能を持つ、Z H2 を発表した(参考出品にて発売は未定。)

最強のネイキッドに寂寥感を一瞬抱くが、フルスロットルで吹き飛ばそう

凄まじいエンジンスペックと、先進的な電子制御技術やフルカラーTFT液晶インストゥルメントパネル、さらにはスマホの接続機能までを搭載した新しいZ。

Z900RSの登場時にも思ったが、かつては国内最速を誇ったとはいえ半世紀近く前に生まれた750cc(ナナハン) モデル、750RS(つまり、ZII=ゼッツー)を愛車とする僕には、結構複雑な気分でもある。Z(究極)という名前を持ち、確かに最強と言える装備を持つバイクなのだが、所詮はカウルを持たないネイキッドであり、最初からストリート最速という挑戦は課せられていないバイクなのだ。(いわば組手ではなく型(かた)の演武でしか競わない空手のようなものだ。最強最速は、空力対策バッチリ、フルパワーをあらゆる走行シーンで発揮できるモデルに託されて、Zシリーズは乗り味や雰囲気重視へとテイストが変わっている。例えは悪いがリング上で闘うプロ格闘技の最強と、ストリートファイトの最強が根本的に違うのに似ている……)
かつてのZIIやZ1は、文字通り国内最強、世界最強を目指し、どんな相手とも競うことが使命だったが、Z H2は違う。全く別のステージにいるのであり、かつてのZが託されていた「最強」はもはやめざすべき境地ではない。つまりは真剣勝負しかしてこなかった武者修行の剣豪が老いて道場での竹刀試合だけに特化した若き剣士を見るような気分なのである……。

とはいえ、そもそもZIIでZ900RSや、このZ H2に立ち向かえるわけもなし(勝負なんて臨まないし、一瞬で置いていかれてしまうことは百も承知している……)、時代に取り残された旧車乗りの繰り言をこぼしているに過ぎない。
実際、これらの最新モデルにまたがれば、その凄さ、素晴らしさに 愚痴めいた言葉は一瞬で失うはずだからだ。

画像: Z H2に対抗するため、新たなフルチューンを受けているゼッツー(嘘八百)

Z H2に対抗するため、新たなフルチューンを受けているゼッツー(嘘八百)

そして、我らのカワサキはそんな旧車乗りも見捨てはしない。
1973年に発売されたゼッツーこと750RSと、ゼッツーの兄貴分であり国外向け輸出仕様モデルとして1972年に発売されたZ1こと900 super4のシリンダーヘッドの再生産を決定してくれたのだ。

画像: 今回再生産するシリンダーヘッドは、当時の図面に規定された仕様を、現代の設計基準・製造技術・製造法により具現化するというコンセプトで新たに開発されたもの。生産は、国内の明石工場(兵庫県明石市)で行われる。税込価格で、黒:26万4000円/銀:25万3000円とのこと。

今回再生産するシリンダーヘッドは、当時の図面に規定された仕様を、現代の設計基準・製造技術・製造法により具現化するというコンセプトで新たに開発されたもの。生産は、国内の明石工場(兵庫県明石市)で行われる。税込価格で、黒:26万4000円/銀:25万3000円とのこと。

若者には真新しい、超一流のアスリートのようなZ H2を。
旧車を愛する世代には、昔ながらの老いた剣豪のようなZのボロボロになりかけた刃(やいば)を研いでくれるかのような粋な計らいをカワサキは用意してくれたというわけだ。

ならば、グダグダと文句は言わず、最新技術と新たな心意気で生まれたこのスーパーモデルが、実際にストリートを走るその日を心待ちにして、応援しようではないか。

画像: 公道を疾る究極「Kawasaki Z H2」登場
〜東京モーターショー2019〜

小川 浩 | hiro ogawa
株式会社リボルバー ファウンダー兼CEO。dino.network発行人。
マレーシア、シンガポール、香港など東南アジアを舞台に起業後、一貫して先進的なインターネットビジネスの開発を手がけ、現在に至る。

ヴィジョナリー として『アップルとグーグル』『Web2.0Book』『仕事で使える!Facebook超入門』『ソーシャルメディアマーケティング』『ソーシャルメディア維新』(オガワカズヒロ共著)など20冊を超える著書あり。

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