火災に見舞われた超高層ビル(摩天楼)を舞台としたアクション映画
主人公のウィル・ソーヤ(ドウェイン・ジョンソン)は元FBIの人質救出チーム隊員。10年前のミッションで犯人の自爆に巻き込まれ左下肢を失って退役を余儀なくされるが、その時の執刀医だったサラと結婚し、女の子と男の子の双子を授かる。
その後高層ビルの安全管理チェックを行う仕事に就いた彼は、香港の大富豪が築いた超高層ビル“パール”の保全サービスの請負のため、家族と共に香港を訪れるが、運悪く大富豪を狙うテロリストによりパールは大火災に見舞われてしまう。しかも彼自身はテロリストの一味として警察に追われ、家族はパールに取り残されたまま迫り来る炎に巻き込まれて危地に陥ってしまうのだった。
家族を救うため、警察を振り切りパールに戻るウィル。果たして彼は大火災やテロリストの脅威から家族を守ることはできるのか?
たいていのトラブルは難なく回避する無敵の男ドウェイン・ジョンソンだが、今回の役柄では左下肢を失くして義足を使わざるを得ないというハンデを与えられているところが新しい。
家族のために奮闘する、良き夫・良き父親の大アクション
ワイルド・スピードシリーズや『ジュマンジ』リブートシリーズなどで見られるそのマッチョぶりは、プロレスラー時代(のザ・ロック様)そのままのドウェイン・ジョンソンだが、今回は引退して10年経過しており、その間銃を使ったことがなく、さらに左脚は義足という設定により、いつもと比べれば戦闘力はだいぶ落ちますよ、という状態。
正義のために闘う超人的なヒーローではなく、昔取った杵柄を必死に引き出しながら家族を救うために奔走する良き夫、熱い父親というモードを前面に出している。
前述したように、大火災で逃げ場がなくなる高層ビルを舞台とし、テロリストと戦う孤高の男、という設定は『タワーリング・インフェルノ』と『ダイ・ハード』第1作を彷彿させるが、そこは最新の映画だけあって(CGなどの技術の進歩は著しく)火災の模様もアクションもかつての名作を遥かに超える迫力は満点。高い所が苦手な人は、いちいち悲鳴を上げたくなるシーンが満載だ。
古い葡萄酒を新しい革袋に入れた、超モダンな逸品と思って、あまり先入観を持たずに見るのがいいだろう。
小川 浩 | hiro ogawa
株式会社リボルバー ファウンダー兼CEO。
マレーシア、シンガポール、香港など東南アジアを舞台に起業後、一貫して先進的なインターネットビジネスの開発を手がけ、現在に至る。
ヴィジョナリー として『アップルとグーグル』『Web2.0Book』『仕事で使える!Facebook超入門』『ソーシャルメディアマーケティング』『ソーシャルメディア維新』(オガワカズヒロ共著)など20冊を超える著書あり。