敵討ちに燃えるただの主婦が、5年かけて殺人マシーンへと変貌する。
麻薬組織から金をかすめようかなと考えたばかりに・・
主人公(ヒロイン)のライリー・ノースは、もともとただの主婦。小さな整備工場を営む夫と娘の3人家族だったが、夫が知人から麻薬組織からの横流しを持ちかけられたことがバレて、娘と共にライリーの目の前で射殺されてしまう。
警察や判事をも買収してしまう組織の力に絶望したライリーは、自らの手で復讐を果たすため、5年かけて必死のトレーニングを積み、射撃や格闘術のエキスパートになるのだが・・・。
金がない悲哀が、一つの家族を崩壊させ、平凡な主婦を殺人マシーンへと変える、あまりに現実的で切ないストーリーだ。
(普通の女性が戦闘のプロになる、というのは やや現実離れしている、という言い方もできるが)
あわよくば続編を、という色気もあり
ネタバレになってしまうが、本作ではライリーは死なない。また、彼女が身命を賭けて戦いを挑む麻薬組織の、さらに上をいく悪党の存在も匂わせてあるので、本作がヒットすれば続編を作れるだけの伏線はある。
ヒロインのジェニファー・ガーナーは、アクション女優として観客を納得させるだけの引き締まった肢体を持ち、銃撃戦にしてもナイフ片手の格闘にしても、見応えのあるキレた動きを見せてくれるので、首尾よくシリーズ化されるかどうかは、本作のヒット具合にかかっているが。
ストーリーそのものはシンプル
本作がシリーズ化されて続編が製作されるかどうかは分からないが、悪党の組織を相手どって戦いを挑む女戦士の誕生を描いた本作の物語自体は非常にシンプルだ。
なぜヒロインが戦闘のプロになったのか、そして戦う相手は誰なのか、という設定をすんなり観ている者に納得させるスピーディーかつシンプルな展開は、分かりやすく入り込みやすい。
映画に限らないが、現代では無数の創作物(コンテンツ)が至るところにあり、たとえ素晴らしく示唆的な内容を持っていたとしても、複雑すぎたり分かりづらかったりすれば、誰にも受け入れられずにただ流されてしまう。
もちろんシンプル過ぎれば、ありきたりで凡庸な話になってしまって、無数のコンテンツの中に埋もれてしまうだろう。
物づくりにあたることは、昔と比べてはるかに難しく、センスを問われる作業になってきているのである。
小川 浩 | hiro ogawa
株式会社リボルバー ファウンダー兼CEO。
マレーシア、シンガポール、香港など東南アジアを舞台に起業後、一貫して先進的なインターネットビジネスの開発を手がけ、現在に至る。
ヴィジョナリー として『アップルとグーグル』『Web2.0Book』『仕事で使える!Facebook超入門』『ソーシャルメディアマーケティング』『ソーシャルメディア維新』(オガワカズヒロ共著)など20冊を超える著書あり。