ハン・ソロやインディ・ジョーンズのヒットで知られるハリソン・フォードの、もう一つの代表作が、CIAの腕利きエージェントジャック・ライアンの活躍を描いた『ジャック・ライアン』シリーズ。
ライアンがCIA入りし、エージェントとなるきっかけを描いた新作を、クリス・パインを主演に据えてリブートした本作は、新作ではなく 2014年公開の、いわば旧作だ。
画像: 『エージェント:ライアン』予告編 youtu.be

『エージェント:ライアン』予告編

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数年前に観たはずなのに思い出をリブートしてしまった・・・

軍事系、諜報系作品を多く手掛ける人気小説家のトム・クランシー原作の本作は、映画のみならず、最近では配信サービスでの連続ドラマ化もされており、多くの人気俳優によって演じられている。

日本では主にハリソン・フォードが演じた作品群が知られていると思うが、本作は主人公ジャック・ライアンがCIAにスカウトされ、トップエージェントへと育っていくさまが描かれている。
ライアンを演じているのはクリス・パイン。彼の婚約者役にキーラ・ナイトレイ、ライアンをCIAにスカウトする上官役にケビン・コスナー。

実は僕は本作がWOWOWで放映されていたのをチラ見し、なんとなく新作であるかのように錯覚して改めてレンタルしたのだが、実際には冒頭に書いたように2014年に公開された作品であるうえ、僕は公開当時にこの映画を観てしまっていた。
そのことを観始めるまではすっかり忘れていたわけだが、シーンごとに記憶は蘇り(フラッシュバックされ)、“これは一体”・・・“ああ、これ、昔見たな”という感想と “なぜまたいまこれを借りた(ため息)”という悔恨が湧き上がることになった。つまり、リブートされたのは、僕自身のメモリーだったわけだ。

良いコンテンツは、何度でも鑑賞に耐える

バーでいいオンナに声をかけたら、昔の恋人だった、みたいな経験をしたわけだが、多少の気恥ずかしさはあるものの、声をかけたくなるような魅力があったわけだし、かつて見知った相手だったとしても数年のブランクがあれば、それはもう別人と同じ。むしろ、100%未知の新鮮さよりも、記憶の中の魅力よりアップデートされた長所に魅了されることだってある、というもの。

実際、クリスのパインを主役に据えた作品としてはこれ一本で終了し、シリーズ化はされなかった、つまり、それほどのヒットにはならなかった、というわけだが、本作自体は僕は十分楽しめた。
米国との強い対立関係にあった当時(2011年頃の設定)のロシアを敵国としたスパイアクションで、いまなら対 中国の話になるかもと思いながら観ていたが、単なるテロによる攻撃というよりは、テロによって引き起こされるであろう経済的ダメージ(ロシアからすれば経済的戦利品)を狙うという、ある意味現代的な戦い方を描くことで、戦闘や破壊工作を行うスパイであるよりは さまざまな事象を分析し、予測を立てる分析官としてのライアンの特質を改めてきっちり表現した良い作品と思う。

後半は才能を開花させたライアンの影にすっかり隠れてしまうが、ライアンの素質を見出し、スカウトした上官(ケビン・コスナー)の渋い演技もいい感じだし、ライアンの謎めいた生活ぶりを浮気によるものではないかという疑惑に怯える婚約者を演じるキーラ・ナイトレイも可憐でいい感じだ。
良いコンテンツとは、何度でも鑑賞に耐えるものであることを、図らずも本作を2度観ることで 改めて認識させられたということで僕的には良しとしようという気になっているのだ。

画像: 『エージェント:ライアン』ハリソン・フォードの当たり役をクリス・パインがリブート

小川 浩 | hiro ogawa
株式会社リボルバー ファウンダー兼CEO。
マレーシア、シンガポール、香港など東南アジアを舞台に起業後、一貫して先進的なインターネットビジネスの開発を手がけ、現在に至る。

ヴィジョナリー として『アップルとグーグル』『Web2.0Book』『仕事で使える!Facebook超入門』『ソーシャルメディアマーケティング』『ソーシャルメディア維新』(オガワカズヒロ共著)など20冊を超える著書あり。

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