年間100本以上の映画作品を鑑賞する筆者の独自視点での映画評。
本作『ジュディ 虹の彼方に』は、伝説の歌姫、ミュージカルの ジュディ・ガーランドの波乱の人生を描き、ヒロインのジュディを演じたレネー・ゼルウィガーは第92回(2020年)アカデミー主演女優賞に輝いている。

華やかな芸能生活の裏で崩壊していくセレブたちの私生活や自我を描く、定番のストーリーだが・・・

ジュディ・ガーランド(レネー・ゼルウィガー)は1939年の「オズの魔法使い」初演でドロシー役を勝ち得た17歳のときから、全盛期のハリウッドならではの過密スケジュールの犠牲になり、長じても睡眠障害や摂食障害を引きずり、さらに薬物やアルコール依存症者になってしまっている。
一流のミュージカル俳優としてのキャリアも実力も備わっているジュディだが、中毒者特有の精神不安定が災いして仕事は激減、私生活でも数度の結婚生活に失敗して、幼い娘と息子と共に寝泊まりする場所にさえ不自由する有り様だった。

そんなとき、英国での長期ステージのオファーが舞い込む。子供たちに安定した生活を与えるためにまとまった金が必要なジュディは、この申し出を受けて単身英国に渡るが、不安定な精神状態が海外に出たからといって収まるわけでもなし・・・。

47歳の若さで薬物中毒のためこの世を去ることになる1人のエンターテイナーの、最晩年の一瞬の輝きを描くヒューマンドラマだ。

こういう設定・実在のアーティストを描いた作品は数多く(エミネムの「8Mile」、プリンスの「パープル・レイン」、ジェームズ・ブラウンの「ジェームズ・ブラウン 最高の魂を持つ男」、フレディ・マーキュリーの「ボヘミアン・ラプソディ」などなど)、どれもそれなりに良い出来なのだが、本作は特にアカデミー主演女優賞という栄誉を受けている点で、公式にかなり高い評価を得た作品と言えるだろう。
(実際、ジュディを演じるレネー・ゼルウィガーは、本作においてすべての楽曲の歌唱を自身で行なっている。その見事なまでのパフォーマンスぶりは、アカデミー主演女優賞受賞の評価に値する素晴らしい出来栄えだ)

しかし、ジュディ・ガーランドという人物は日本ではほとんど知名度がなく、それがゆえに作品自体はインディーズ扱いにとどまっているのは 残念というか、まことに申し訳なく思うが、まあしょうがないかな、というのが正直な感想だ。

とはいえ、本作の邦題にもなっていて、ジュディと言えばコレというほどの代表曲である「虹の彼方に」(原題: Over the Rainbow)が、「オズの魔法使い」の挿入歌であることを知れるだけでも、本作を見る価値はある、僕は思う。

画像: 『ジュディ 虹の彼方に』ハリウッド全盛期の20世紀中盤に輝きを放った伝説のミュージカル女優の伝記作品

小川 浩 | hiro ogawa
株式会社リボルバー ファウンダー兼CEO。
マレーシア、シンガポール、香港など東南アジアを舞台に起業後、一貫して先進的なインターネットビジネスの開発を手がけ、現在に至る。

ヴィジョナリー として『アップルとグーグル』『Web2.0Book』『仕事で使える!Facebook超入門』『ソーシャルメディアマーケティング』『ソーシャルメディア維新』(オガワカズヒロ共著)など20冊を超える著書あり。

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