連載コラム「生田晴香、恐竜と生きる」。福井恐竜博物館 公認恐竜博士、古生物学会友の会・恐竜倶楽部メンバーでもある自他共に認める恐竜ラバーのタレント生田晴香が、恐竜の素晴らしさを隅から隅まで語り尽くす。壮大な歴史とドラマ、未解明の不思議が交差する魅惑の恐竜ワールドへ、ようこそ。- dino.network編集部
ニンニンニンといえば…
世間で流行ったのは約10年前なので、当時小中学生だった方はなかなかその存在を知らないかと思います。あやまんJAPANの説明をしておくと、パフォーマーみたいなアイドルグループ(芸人のようでもある)で「ぽいぽいぽいぽぽいぽいぽぴー」という曲が大流行したときがありました。
この曲は、最初の台詞の後に「ニンニンニン…ニンニンニン…ニンニンニンたらニンニンニン」という歌詞があり忍者の忍法を使うような振り付けをします。
そう、ニンニンニンといえば忍者です!
忍者(にんじゃ)は、室町時代から江戸時代の日本で、大名や領主に仕え、また独立して諜報活動、破壊活動、浸透戦術、謀術、暗殺などを仕事としていたとされる。 その名は日本国内にとどまらず、世界的にもよく知られている。
影で働く仕事人という感じで、日本のみならず海外でも人気を集めていて、カッコいい印象ですよね。
川を沈まずに走って渡れたり、漫画のNARUTOみたいに影分身の術ができたらどれだけかっこいいか…!子どもの頃に忍者ごっこで遊んだことがある人も多いのではないでしょうか。
新種の恐竜が忍者?!
NUEVO DINOSAURIO HERBÍVORO DE PATAGONIA BRINDA INFORMACIÓN SOBRE EL ORIGEN DE LOS GIGANTES DE CUELLO LARGO
— MuseoEgidioFeruglio (@mefpatagonia) February 28, 2021
Ilustración:Jorge González pic.twitter.com/dTvgL5Jxt2
2021年2月、アルゼンチンのネウケン州で全長約20mという首としっぽが長い竜脚類、ティタノサウルス類の新種の恐竜がアルゼンチンのラ・マタンサ国立大学から発表されました。
竜脚類なので、肉食ではなく植物食恐竜です。
時代は白亜紀前期(約1億4000万年前)の地層から、2014年に発見された恐竜なのですが、その名も、、、
ニンジャティタン・サパタイ(Ninjatitan zapatai)
そうなんです!「ニンジャ」とは、あの日本の「忍者」からきているんです!「ティタン」は巨人なという意味なので、他の大きな恐竜にもなど使われています。例えば日本だと、フクイティタンと名付けられてる福井の恐竜がいますね。
El nombre�: Ninjatitan zapatai (“Ninja” x Sebastián “Ninja” Apesteguía quien lideró las 1ras exploraciones a Bajada Colorada - donde fue hallado el nuevo dinosaurio-; “titan” gigante, “zapatai” x el técnico Rogelio Zapata del Museo “Ernesto Bachmann” de Villa El Chocón) pic.twitter.com/Q0fpZMdSRA
— MuseoEgidioFeruglio (@mefpatagonia) February 28, 2021
大きいので当たり前なのですが、体の全身のパーツが全て見つかっているわけではありません。現在見つかっているのは体の一部です。
ティタノサウルス類といえば竜脚類の中でも最も長く時代が続いたグループ。白亜紀後期から発見された恐竜が多く、恐竜時代の最後、白亜紀末まで生きていたとされています。
“Este nuevo dinosaurio nos muestra, 1ra primera vez a nivel mundial, los restos + antiguos del grupo de los titanosaurios, permitiéndonos dar sustento a las ideas de un origen sudamericano para este grupo saurópodos a comienzos del Cretácico" @JoseLCarballid1 pic.twitter.com/QbdVGwgenC
— MuseoEgidioFeruglio (@mefpatagonia) February 28, 2021
ニンジャティタンは白亜紀前期の地層から発見されたということで、世界で発見されているティタノサウルス類で最も時代が古い恐竜だということがわかります。
新しい発見、しかもアルゼンチンからで日本人が名付けたわけではないニンジャという学名、嬉しいですね!
なぜニンジャなのか
忍者といえば天井裏にひっそりコソコソ、手裏剣やクナイなどの武器を使っていそうですが、ニンジャティタンに忍者要素はあるのでしょうか。
鉤爪(持ってない)で敵を襲うわけでもなく、大きいのでコソコソ隠れられるわけもなくむしろ目立つサイズで動きもゆっくりのんびり、、、まったく忍者要素がありません。
なぜニンジャティタンと名付けられたと思いますか?
そういえば過去に、ゴジラが好きだから恐竜研究者になりゴジラサウルスと名付けたカーペンター博士がいましたが、実は答えもそんな感じです。
恐竜の特徴に忍者要素があるわけではなく、なんと!
研究者のニックネームが忍者だったんです!
それでニンジャティタンになったのですねー。その研究者が忍者好きだったのか、実は忍者だったのか?気になりますね。
実は、同じアルゼンチンのネウケン州から「カイジュウティタン」というティタノサウルス類がいます。そう、あの怪獣からのカイジュウティタンで、名前の意味は怪獣の巨人です。
日本の人間からしてみてば日本独自の名前にしてくれて、アルゼンチンやるじゃん!という気持ちになりますね。仲良くなれそうです。
アルゼンチンといえば、ブエノスアイレスにある「アルゼンチン自然科学博物館」が南アメリカ最大の恐竜コレクションを所持していて、アマルガサウルスやカルノタウルスなどに会えるということでいつか行ってみたい博物館です。
まとめ
アルゼンチンから最古のティタノサウルス類「ニンジャティタン・サパタイ(Ninjatitan zapatai)」が発見され、ニンジャとは研究者のあだ名がニンジャだったことから名付けられました。
重要で覚えておくべきところはそんなところでしょうか。この先これからもマリオやポケモン、ファイナルファンタジーやメタルギアなど日本から生まれたキャラから恐竜が名付けられることが世界であるでしょう。
恐竜の名前の多くはその恐竜の特徴や地名からが多いのですが、日本独自の名前だと一般的に恐竜をあまり知らない人間にも覚えてもらいやすく、恐竜に興味を持ってもらうチャンスがやってきます。
なので、いいぞもっとやれ!そして恐竜を世界の話題の中心になるようにするのだ!という気持ちでいっぱいです。
では、また次回!
生田晴香 | Haruka Ikuta
恐竜タレント。TV、CMのほかモデルとして活躍中。福井恐竜博物館の公認恐竜博士で恐竜検定所持。恐竜トークショー、クイズ、鳴き声コンテスト審査員。古生物学会友の会&恐竜倶楽部メンバー。恐竜のうた「ダイナソーDANCE」監修。実は元あやまんJAPAN。
YouTubeちゃんねる「恐竜わっしょい!」始めました。