2018年のフランス・ベルギーのアクション映画。1976年、当時フランスの植民地だったジブチで発生したバスジャック事件の鎮圧作戦を描く。B級とは思うが、なかなかに楽しめる佳作だ。
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映画『15ミニッツ・ウォー』予告編:10月11日(金)公開!

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オルガ・キュリレンコがテロリストと人質の間で気丈に振る舞う教師を熱演

本作は、1976年2月3日に起きた実際のバスジャック事件をモチーフにして製作された、いわゆる実話を基にした作品だ。

フランス領植民地のジブチ共和国で、子供31人を乗せたバスが、投獄犯の即時解放とフランスからの独立を求める過激派組織FLCS(ソマリア沿岸解放戦線)にジャックされる。早期解決を望むフランス政府がフランス国家憲兵隊の特殊部隊を現地に急行させるが、 ソマリアとの国境近くで事態は膠着状態に陥っていく。

自らバスジャック犯と接触する子供たちの教師役にボンドガールを務めたオルガ・キュリレンコが配されているが、基本的には日本人に馴染みのある役者はほぼいない、全編基本的にフランス語で制作された作品。

ただし、なかなかにスリリングであり、特にラスト15分の銃撃戦はかなり激しく見応えある一本だ。

政治的駆引きに翻弄される現場

本作は、邦題のそれでも分かるように、本当にラスト15分の激しい銃撃戦に全てが集約される映画だ。事件(バスジャック)は、映画が始まってすぐに発生し、特殊部隊の面々もかなり早い段階で現地入りしている。
あとはテロリストと国家(フランス、ソマリア、ソ連、米国など)の忖度とも言える政治的配慮によって関係者全員が身動き取れなくなっていくさまをなんとなく見せられる展開。もちろんそれはそれでスリリングで、狙撃ポイントに入りつつ指令をひたすら待つだけの特殊部隊の面々の気分になりながら、おいいったいどうすんのよという、ジリジリとした気分を延々と味あわされるが、それはそれで退屈ではない。やがてテロリストたちを狙撃するその瞬間はカタルシス以外の何物でもないわけだし。

本作では、おそらくはオルガ演ずる女性教師の存在が完全なるフィクションなのだと思うが、彼女が決死の覚悟でバスに乗り込み、少しでも生徒たちを守ろうと奮闘する。

テロリストたちを恐れもせずに拘束中の待遇改善を要求するさまは、さすがに実在の人物とは思えない勇敢さ。ただ、彼女のおかげでテロリストたちにも 感情移入できる事情がみえてくるし、前述のように物語として“ある意味進展に乏しい”時間を創作物として成立させているとも言える。

ちなみに、彼女の自己申告では、彼女はアメリカ人らしいのだが、なぜフランス領で教師をやっているのか?という説明はなく、さらに彼女自身が巧みに銃を扱うシーンがあるのだが、それがこの女性教師の存在の意味をさらにミステリアスにしている。そして、それに関する説明は一切なく、物語は終わるのである。

画像: 『15ミニッツ・ウォー』ラスト15分の銃撃戦を見逃すな

小川 浩 | hiro ogawa
株式会社リボルバー ファウンダー兼CEO。
マレーシア、シンガポール、香港など東南アジアを舞台に起業後、一貫して先進的なインターネットビジネスの開発を手がけ、現在に至る。

ヴィジョナリー として『アップルとグーグル』『Web2.0Book』『仕事で使える!Facebook超入門』『ソーシャルメディアマーケティング』『ソーシャルメディア維新』(オガワカズヒロ共著)など20冊を超える著書あり。

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