日本発の人気ゲームを題材とした実写映画。
同じくゲームオリジンで世界的大ブレイクを果たした「バイオハザード」シリーズで絶対的ヒロイン アリスを演じたミラ・ジョボヴィッチ主演、「マッハ!!!!!!!!」のトニー・ジャーが彼女の相棒役で登場。

CGは凄い

冒頭でも紹介したように、本作は日本のゲームをベースとして制作された実写映画だ。あいにくまったくゲームを嗜まない僕からすると、本作がゲームの世界観を踏襲しているのか、そこは映画用に造られたものなのかは分からない。

本作における設定はこうだ。
我々が暮らすこの世界とは別に、モンスターがウヨウヨ存在する世界が存在する。この、生態系のトップにモンスターが君臨する世界と、我々の棲む世界が交わり、互いが行き来する交錯点が生まれ、我々の世界で国連平和維持軍?としての任務についていた米国陸軍のレンジャーが、モンスターの世界に迷い込んでしまう、というストーリーになっている。

このレンジャーのリーダーを務めるのがミラ・ジョボヴィッチ。モンスターの世界で、モンスターと戦うハンターの1人を演じるのがトニー・ジャーだ。
当たり前ながら、全く異なる文化と言語体系の中にいる2人では、意思疎通をとるのにひどく苦労するが、元の世界に戻りたいミラと、仲間と合流したいトニーは、目の前に存在するモンスターを倒したいという同一の目的によって協力体制を築き上げることに成功する、というのが大筋である。

スターウォーズにはじまった、映画コンテンツの多角化によるマルチビジネス(DVD販売やレンタル、ストリーミングなどによる映画そのものの拡大セールスや、キャラクタービジネスなど、さまざまなライツビジネスが生まれている)の一環としてまずはゲームの映画化が企画されたのだろうが、先達となった「バイオハザード」シリーズの存在が念頭にあったのは間違いがないだろう。(そもそもミラ・ジョボヴィッチをヒロインに据えているわけだし)

企画陣の思惑どおりにいくかどうかはおいて、本作はとりあえずCGはすごい。砂漠を海のように潜りまくる怪獣や、蜘蛛を模したような奇怪な生物など、おどろおどろしいモンスターたちが画面狭しと暴れ回る様はなかなかに迫力がある。配役されている役者の数は少なく、それほど大きな予算が割かれていないことが推測されるが、その分肝心のモンスターの造形は 観客を納得させうるだけの出来栄えになっていると思う。

凶暴なモンスターを狩る人間たちの奮闘

本作は、我々が棲むこの世界と、モンスターの世界とが交錯してしまうという設定と書いた。主人公のミラ・ジョボヴィッチたちレンジャーは、あるキッカケでモンスターが君臨する世界に迷い込んでしまうわけだが、反対に モンスターが我々の世界に入り込む様子も描かれる。

ミサイルこそないが、最新の米陸軍のレンジャーは空を飛び火を吹く凶悪なモンスターとの交戦にさらされるのだが、機銃やロケット弾の直撃を受けながら、モンスターは斃れない。

なのに、原始的な武器(刀や弓矢など)しか持たないトニー・ジャーらモンスターの世界に生きる人間たちの攻撃は案外通用するのは、ちょっとおかしい、と感じたのは僕がゲームそのものにあまり共感していないせいか?

まあ、どんな方法でもモンスターを駆逐できないとすれば、物語そのものが破綻してしまうのだから、それはそれで良いのかもしれないが、理屈や論理の存在は正しい筋書きには不可欠に思うのだが。

そうした矛盾に目を瞑れば、40代になっても激しいアクションに違和感を持たせないミラ・ジョボヴィッチの活躍も、最近になってよく姿を見かけるようになったトニー・ジャーも、役に入り込んで頑張っている。役者もCGも 出来は悪くないので、とりあえず 上映時間中欠伸をする暇はないだろうとは思う。

画像: 『映画 モンスターハンター』は「バイオハザード」に追いつけるか?

小川 浩 | hiro ogawa
株式会社リボルバー ファウンダー兼CEO。dino.network発行人。
マレーシア、シンガポール、香港など東南アジアを舞台に起業後、一貫して先進的なインターネットビジネスの開発を手がけ、現在に至る。

ヴィジョナリー として『アップルとグーグル』『Web2.0Book』『仕事で使える!Facebook超入門』『ソーシャルメディアマーケティング』『ソーシャルメディア維新』(オガワカズヒロ共著)など20冊を超える著書あり。

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