年間100本以上の映画を鑑賞する筆者が独自視点で今からでも・今だからこそ観るべき または観なくてもいい?映画作品を紹介。
今回は、エミリー・ブラント主演、彼女のリアル夫のジョン・クラシンスキー(パート1では俳優として、エミリーとの夫婦共演済み)のSFホラー 『クワイエット・プレイス2』。
画像: 映画『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』特報映像 youtu.be

映画『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』特報映像

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大ヒットホラーの続編

2018年に全米No.1の興行収入を上げた大ヒットシチュエーションホラー「クワイエット・プレイス」の続編にして、音に敏感な怪物の魔の手を逃れた親子の“その後”を描いた話題作。
前作では、エミリー・ブラントと、その実の夫であるジョン・クラシンスキーの夫婦共演(およびクラシンスキーは監督をも務めた!)も話題になったが、本作ではジョン・クラシンスキーは監督業に専念、彼の代わりにエミリーたちを守護するのは 名優キリアン・マーフィー。妻子を亡くし、1人絶望の中で生き抜いてきた哀しい男を演じている。

謎の隕石?と共に 突如現れた怪物によって、あっという間に蹂躙された人類。目は見えないか、ひどく視力が弱いらしく、代わりに異常発達した聴覚を頼りに人間を襲う怪物に、人類はなすすべなく駆逐され続け、反撃の糸口もないままに一年が過ぎていた。
エミリー扮するエヴリンとその家族は物音をなるべく立てないことで、怪物の襲撃を避け、文字通りひっそり生きていた。エヴリン夫妻は、“ラッキー?”なことに子供たちが聾唖者だったことで手話ができた。そのことで少なくとも音声に頼らない生活に慣れてはいたのだった。

しかしエヴリンが妊娠したことで、物静かな生活に破綻のリスクが生まれる。声を出さずに出産することはできるのか?そして 出産ができたとして、理屈の分からぬ赤子に 泣き声を我慢させることはできるのか?

これが一作目のキーポイントだったが、本作では、家族を守るためにジョン・クラシンスキー扮する父親は命を落とすものの、エヴリンも子供たちも助かり、怪物たちが持つ致命的な弱点につながるヒントも得る。そして廃墟となった家を捨てるところから本作は始まる。

エヴリンたちは怪物に襲われた家を捨て、行く先の定まらない旅に出るが、途中で廃墟化した何かの工場跡地で再び怪物に襲われ命を落としそうになるが、謎の男に救われる。男はエヴリンたちと旧知の人物だったのだが、妻子をなすすべなく失った哀しみから絶望に囚われていた・・。
生き抜くためには彼の協力が不可欠。エヴリンたちは、果たして彼の閉ざされた心を再び開かせることはできるのか?

リスクを恐れて怯むオトナたち、リスクを恐れず怯まない子どもたち

前作では、聴覚に依存する怪物たちが嫌がる周波数を持つ音を発見し、それが人類の反撃に繋がるかもしれないという希望を抱かせて終わったが、本作では、いよいよその希望を実効力のあるものに変えるための戦いあるいは冒険へと話が進む。そして、前作では子供たちを守るために必死に闘う両親(オトナ)が主人公であり愛や庇護心がテーマだったが、今回は子供たちが主人公であり庇護されるだけの存在から自立して自ら勇気をもって立ち上がる姿がテーマになっている。つまりは、ストーリーもキャラクターも世代交代している。

本作は、一方的にやられる側だった人間たちが、勇気と信念をもって抗い始めた姿を描いた前作から一歩進んで、勝利に向けて立ち上がり始めた様子を描いている。
そして、その中心となるのは子供たちであり、大人は彼らの試みを補佐するサポート役に徹するべきだという主張のようにも見えるのである。

画像: 『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』静かに演技、静かに観劇、静かに感想

小川 浩 | hiro ogawa
株式会社リボルバー ファウンダー兼CEO。dino.network発行人。
マレーシア、シンガポール、香港など東南アジアを舞台に起業後、一貫して先進的なインターネットビジネスの開発を手がけ、現在に至る。

ヴィジョナリー として『アップルとグーグル』『Web2.0Book』『仕事で使える!Facebook超入門』『ソーシャルメディアマーケティング』『ソーシャルメディア維新』(オガワカズヒロ共著)など20冊を超える著書あり。

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