こんにちは、恐竜おねえさんこと生田晴香です。初詣では毎回「長生きしますように!」とお願いする私。最低でも120年は生きていたいですし、恐竜たちだってもっと長生きしたかったと思います。さて、恐竜はどれくらい生きられると思いますか? 看取ったわけではないので確かなことは不明ですが、いくつかわかっていることがあります。今回のコラムでは、恐竜や他の生き物の寿命について比べてみましょう。

連載コラム「生田晴香、恐竜と生きる」。福井恐竜博物館 公認恐竜博士、古生物学会友の会・恐竜倶楽部メンバーでもある自他共に認める恐竜ラバーのタレント生田晴香が、恐竜の素晴らしさを隅から隅まで語り尽くす。壮大な歴史とドラマ、未解明の不思議が交差する魅惑の恐竜ワールドへ、ようこそ。- dino.network編集部

動物の寿命

わたしたち人間も恐竜も動物ですが、この世界には約100万種の生き物がいて、食べ物や体の大きさなどそれぞれ違い寿命も短いものや長いものもいます。

だいたいですがイタチは1年、ニホンノウサギは4年未満、ヒラメは13.5年、トラは15年、コアラは20年、ゴリラは35年、ジンベイザメは80年が寿命とされているようです。

恐竜と同じ爬虫類では、オオアナコンダは10年、グリーンイグアナは20年、コモドオオトカゲは30年〜、ナイルワニは45年。

画像: ゾウガメ

ゾウガメ

ガラパゴスゾウガメは100〜200年(!)ほど生きるゾウガメもいます。体温維持のためあまり体力を使わない動物は長生きする傾向があるのです。

鳥類型恐竜でもある鳥類は、スズメやツバメは1.5年、カラスは8年、ウグイスやカワセミ10年、家畜されていないニワトリも10年(家畜は2ヶ月〜3年の命)…

フクロウは20年、ハヤブサは15年、ダチョウは35年、フラミンゴは50年と、鳥類それぞれもっと長生きしてほしい心はあるものの、ゾウガメのようにはいきません。

恐竜の寿命

野生動物の寿命は、基本的にその動物の歯の寿命と同じです。歯が使えなくなればご飯が食べられなくなり長生きするのが難しくなります。

そう考えると恐竜の歯はどれくらい持つのでしょう。

なんと! 大人になると成長はゆっくりになりますが恐竜自体は一生成長しますし、歯はダメになったり抜けたりしても一生生え替わるのです。歯医者いらずの素晴らしい生き物なんです!

となると恐竜はどれくらい生きられると思いますか? 歯からいえば一生生き続けるのでは…?と思いの皆さま、残念ながら流石にそれはありません(そうだったら最強すぎます)。

カムイサウルス

dino.network

どうやったら恐竜がどのくらい生きられたかは成長停止線でわかります。骨を切ると木の年輪みたいに出てくるのです。

そのことから、ティラノサウルスの成長停止線を数えると28くらいなので28〜29歳くらいで死んだとわかっている個体がいます。

画像: 恐竜の寿命

ティラノサウルスの寿命は30歳くらいなのではと思われているわけですが、そのティラノサウルスが寿命で死んでなかったとしたら寿命はもっと長かったかもしれません。

頭が良いで有名なトロオドンだと3〜5歳までしか生きられないという研究があるそうですが、これは流石に短すぎてどうなんだろうと個人的にはあてにはしていません。

首としっぽが長い竜脚類の大きな恐竜は50〜60歳まで生きられたと思われています。

亀を研究している先生で、「慣性恒温性の効果が大きく代謝が低い竜脚類は100~200年くらいは生きた可能性が考えられる」と自身の本に書かれている方がいます(「面白くて眠れなくなる恐竜」より)。

肉食恐竜を含む獣脚類より竜脚類の方が長生きしている可能性は大きいですね。

時代や場所によって違うかも?!

画像: 人間の生田晴香

人間の生田晴香

私たち人間、日本人の寿命はどんな感じでしょうか。

厚生労働省の「簡易生命表(令和3年)」によると2021年の日本人の平均寿命は男性が81.47歳、女性が87.57歳とのことです。

縄文時代では15歳、古墳時代では25歳未満、平安時代の貴族だと35歳、鎌倉時代は24歳、室町時代だと16歳と、同じ日本人でも時代によってバラバラです。

日本人に限らず他の国だと、ナイジェリアは52歳、インドは67歳、ロシアやシリアは70歳、中国は75歳とそれぞれ違います。

こんなに短い人間の歴史でさえこんなに違うのですら、
恐竜…例えばティラノサウルスのいた時代でも数何万年の違いだけでもティラノサウルスの寿命は違かったかもしれませんね。

7,000万年前と6,600万年前のティラノサウルスの寿命はトリケラトプスが与えてくる威圧感のストレスが違ったので同じティラノサウルスの種類でも5年も違っていた…とか。

例え話ですがいろんな可能性を考えてみると面白いですね。推理して事件を追っていくとミステリーみたいで、永遠に考えていられます。

考えすぎたところで実際に恐竜時代に行ってそれぞれの恐竜が平均してどれくらいの寿命だったかは、たくさんの色んな恐竜を調べないといけないので今この時代を生きている人間には正確なことはどうしてもわかりません。

真実は知りたいところではありますがかなりの難易度です。今わかっている研究から予想していくしかありませんし、それが絶対的に答えがわからないので悔しいですがそれがまたロマンだといえます。わからないからこそ面白いのです。

画像: 時代や場所によって違うかも?!

今回なぜ寿命がテーマになったかというと、たまたま見つけた「寿命図鑑」という本が面白かったからです。長生きしてこれからも毎日恐竜を追っていきましょう。ではまた次回!

画像: 恐竜の寿命は短い? いろんな動物と比べてみよう!

生田晴香 | Haruka Ikuta
恐竜タレント。TV、CMのほかモデルとして活躍中。福井恐竜博物館の公認恐竜博士で恐竜検定所持。恐竜トークショー、クイズ、鳴き声コンテスト審査員。古生物学会友の会&恐竜倶楽部メンバー。恐竜のうた「ダイナソーDANCE」監修。実は元あやまんJAPAN。
YouTubeちゃんねる「恐竜わっしょい!」始めました。

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