シリーズ最終章は、最高傑作!
『イコライザー』シリーズの最終章として、2023年10月6日(金)に公開された『イコライザー THE FINAL』。まだ観ていない方は、ぜひ観てほしい!
映画誌・映画サイト編集長も絶賛コメントを送ったと、ソニー・ピクチャーズ エンタテイメントの発表で見ましたが、本当に間違いなく素晴らしい映画でした。
少し気が早いものの、私の中での「ベスト映画・オブ・ザ・イヤー 2023」を受賞しましたし、ここ数年でも『トップガン マーヴェリック』(2022)の次に来るほどの映画でした。少なくとも『イコライザー』シリーズの雰囲気が好きな人は、間違いなく気にいるはず。
さっそく絶賛からスタートしましたが、本当にぜひ観てほしいのです。今回は、熱量も投影しつつ、まだ観ていない方にも観に行こうと思っていただけるよう、ネタバレなしで語りたいと思います。
まずは、あらすじ&予告をご紹介。
ある時、訪れたシチリアでの事件で負傷したことをきっかけに、肉体的にも精神的にも限界を迎えたロバート・マッコール(デンゼル・ワシントン)は、アマルフィ海岸沿いの静かな田舎町に辿り着く。よそ者にも関わらず身内のように看病し、親しみをもって「ロベルト」と呼んで接してくれる街の人々。昼の顔、夜の顔を使い分け、長い時間をたった一人、誰にも頼らず生きてきたマッコールにとって、それはまさに癒しと救いだった。マッコールはこの街を安住の地と心に誓い、イコライザーのスイッチともいうべき腕の時計を外すことを決意。そこで穏やかに残りの人生を送るはずだった。
しかし、小さなこの街にも悪の魔の手は忍び寄っていた。街の人たちが次々と凄惨な事件に遭うのを見て、マッコールは再び[仕事]を再開する。自分を救ってくれた大切な人々を、街を、今度は自分が救うため。善良なすべての人々を救うのがイコライザ―の流儀であり、マッコール自身の大いなる復讐でもあるのだ。しかしそれが引き金となり、事態はイタリア全土を巻き込む爆破テロ事件へと拡大してゆく・・・。
一度外した時計を再び身に着けるマッコール。彼がカウントするのはわずか9秒。怒りが頂点に達したマッコールに、もはや19秒は必要ない。最後にして最大の[仕事]が始まる──。
まず、言いたい。
本当に、雰囲気がいいんですよ!
『イコライザー』シリーズを観たことのない方にも雰囲気を伝えるとしたら、「静謐(せいひつ)」。この一言に尽きます。
静謐とは、静かで安らかなこと。そして、世の中が穏やかに治まることを指します。
『イコライザー』シリーズでは、元CIAトップエージェントのロバート・マッコールが、世の悪を完全抹消する闇の仕事請負人「イコライザー」として暗躍する姿が描かれます。デンゼル・ワシントンが演じるロバートは、いつの日も、弱き人々を救うために暗躍するんです。
そして、その仕事はいつだって完璧。体裁はアクション映画ですが、ドンパチはしません。圧倒的な強さで、一方的に蹂躙します。いつの間にか仲間が死んでいく恐怖……このシリーズは、どちらかといえば敵に感情移入してしまって、恐怖を覚えることも多々あるわけです。
さらに、最終章である今作『イコライザー THE FINAL』は、もはやホラー映画です。
カメラワークもホラー映画チックですし、びっくり要素も盛りだくさん。あまり詳しくは語れませんが、暗い屋敷と1人ずつ減っていく敵……正直ロバートの方がホラー映画に出てくる敵でしょう。笑
“仕事”が始まると、私は緊張のしすぎでポップコーンも飲み物も口に運べず、ただ固唾を飲んで見守ることしかできませんでした。笑
とくにお気に入りなのは、監視カメラが出てきたときの演出。「あ、これホラー映画だったんだ」と思うこと間違いなしなので、ぜひ実際に観てほしいです。
余談ですが、昔(最新リニューアル前の2018年)富士急ハイランドの戦慄迷宮に入ったとき、似たような経験をしたことがあります。監視カメラをよく見ないと気付けないような演出でしたが、いまもあるのかな?
え? 知らない? ……深く考えるのはやめておきます。何事も、知らないほうが幸せってことありますもんネ。
そんなわけでグロ耐性・ホラー耐性が全くない人には、少々つらいかもしれません。しかし、凄惨ではあるもののいたずらに殺傷するわけではないですし、本格的なホラー映画というわけでもないので、その点はご安心ください。
苦戦も全然しないので、敵とシンクロしてしまう恐怖や緊張感さえなければ、もっとも安心して観れるアクション映画ではないでしょうか。そう、緊張感さえなければ……。
ところで、あなたの後ろにいるのはどなた?
……なんて。ハロウィンの時期にもぴったりなのでやってみましたが、自分でも怖くなってきたのでこの辺で終わります。笑
前作を少し振り返ってみましょう
さて、『イコライザー』シリーズをまだ観たことのない方には、ぜひこちらの動画をご覧いただきたい!
こちらは、1作目『イコライザー』(2014)の特別映像です。お分かりいただけただろうか?
そう。
かっこいいんですね。
16秒という死の宣告。基本的に武器は現地調達で、自分は傷一つなく全滅させる圧倒的な力。そして、トドメは刺さず息絶えるまで見守る……。
そう。
怖いですね。
これが、主人公・ロバートなわけですが、ロバートのキャラクターが、またいいんです。人当たりも、面倒見もいい魅力的な人物であると同時に、戦闘時には普段の温厚な態度からは一変し、冷徹且つ冷静に始末します。常人には考えられないほどの殺人技術と身体能力を持つ、いわゆる「ダークヒーロー」ですね。
デンゼル・ワシントンは、ロバートを演じるにあたって、強迫性神経症の症状を意識したそうです。紅茶を飲む時のルールなどに「こだわりが強く同じ行動を繰り返す」という、強迫性神経症の性質が表れているのでしょうね。そういった目線で観てみるのも面白いですね!
ちなみに、2作目『イコライザー2』(2018)のブルーレイ&DVDに収録されている特典映像では、主演であるデンゼル・ワシントンのインタビューに加えて、アントワーン・フークワ監督をはじめとする製作陣が、3作目となる続編について明かすインタビューを見ることができます。特典映像の一部はYouTubeでも公開されていますよ♪
このインタビューでフーワク監督は、「3作目を作るなら舞台は世界だ。更に彼が活躍しても人間としての核は変わらない」と語り、脚本を担当したリチャード・ウェンクも「彼は1作目で目的を、2作目で平穏を見つけた。3作目では居場所を探すだろう。みんなそれを望んでる」と語っています。
3作目のテーマは、居場所を見つけること。
ロバートが見つけた居場所を、どう守るのか。ぜひ劇場で観てみてくださいね。
あっという間すぎる1時間49分
観終わった感想として、一番最初に思ったことは「あっという間すぎる」でした。あと1時間あってもよかったのに、本当にこれで終わっちゃうなんて、と寂しい気持ちに……。
『イコライザー』シリーズは、シリーズものの常と言いますか、やっぱり1作目が一番評価が高いですよね。1作目が好き! という方は多いはず。現に、私も2作目と比べると1作目が好きでした。今作を見るまでは。
今作、きっと満足できると思います。雰囲気もどことなく1作目に似ています。
私は、1作目より好きかもしれません。でもこの感想は、1作目・2作目と観ているからこそです。1作目・2作目を観てロバートのことを知ったうえで、今作を観ることをお勧めします。シリーズをまとめる最終章として、観てよかったと思える映画です。
ただ、あっさりと終わってしまったのでそこは本当に寂しいです……。エンドロール後の映像もありません。だからこそ、終わってしまったんだと実感することにもなりましたが。。
『イコライザー』シリーズは、1984年から1989年にかけて放送されていたテレビドラマを元にした映画です。日本では「ザ・シークレット・ハンター」の名で放送されていますね。
そして、映画『イコライザー』シリーズの世界観をそのままに、クィーン・ラティファを主演に迎えて再びドラマ化した「イコライザー」は、2021年2月からシーズン1が放送されました。
でも、私はデンゼル・ワシントンが演じるロバート・マッコールが観たいんです〜! 外伝みたいな感じでもいいので、何かしら出してくれることを期待したいところ。とりあえず、今作が上映されている間は、再び劇場に足を運ぼうと思います。
悪のデンゼル・ワシントンを観たい方は……
「正義の味方」役が多いデンゼル・ワシントンですが、悪徳警官を演じたことで話題になった映画があるので、紹介します。
その映画は、『トレーニング デイ』(2001)。
ロサンゼルス市警の麻薬取締課に配属となった新人刑事ジェイクとコンビを組む、ベテラン刑事アロンソ。ですが、アロンソは刑事であるにもかかわらず、躊躇なく法を犯します。そう、そのアロンソを、デンゼル・ワシントンが演じているのです。
正直、私は最初デンゼル・ワシントンだと気づきませんでした。笑
あまりにも雰囲気が違いすぎて、もう別人です。興味がある方は、こちらもぜひ。
好きなシリーズでもある『イコライザー』が終わってしまったのはすごく残念ですが、また1作目から観直して、もう一度観にいこうと思います。よければ皆さんも、シリーズ最終章である『イコライザー THE FINAL』を劇場で観てみてくださいね。
『イコライザー THE FINAL』の特設サイトはこちらからどうぞ!