ブレゲ クラシック トゥールビヨン 「機構に見る宇宙の神秘」【今週の逸本 Vol.4】

天才時計技師ブレゲによる複雑機構

時を刻むことに一生を掛け、情熱を燃やし続けた先駆者たちの技術。いまから数百年以上前につくられた機構が、現代に受け継がれることにどうしようもなくロマンを感じる。そんな男性は多いことだろう。なかでも世界三大複雑機構と呼ばれる技術、パーペチュアルカレンダー（永久カレンダー）、ミニッツリピーター、トゥールビヨンは、いまから200年以上前に開発された機構でありながら、現代の高級腕時計の代名詞として君臨している。

そんな三大機構すべての歴史に名を残すのが、今回ご紹介するブレゲの創業者アブラアン・ルイ・ブレゲである。ブレゲはパーペチュアルカレンダー、トゥールビヨンを開発。ミニッツリピーターにおいては懐中時計に搭載できるほど小型化に成功と、まさに天才と呼ぶにふさわしい人物だ。

今回ご紹介するのは、その三大機構の中でももっとも高度な技術であり最高峰と名高いトゥールビヨンを搭載した「クラシック トゥールビヨン」である。

重力を打ち消すトゥールビヨン

懐中時計や腕時計は、置き時計や壁掛け時計などとは違い、持つ者の動きや姿勢によってムーブメントにかかる重力に差がでる。それにより生じる誤差のことを「姿勢差」と呼ぶが、この姿勢差を解消するために開発されたのが「トゥールビヨン」である。

これは、がんぎ車とテンプをキャリッジ（籠）に納め、キャリッジ自体を回転させつつ歯車を駆動させることで時計にかかる重力を平均化し打ち消す技術。言葉にするのは簡単だが、200年も前に機構として形にしたブレゲには感服するばかりである。

「クラシック トゥールビヨン」を見れば、その複雑さ、美しさがよくわかるだろう。シルバーを基調としたシンプルな文字盤は気品に溢れ、下部に配置されたトゥールビヨンは見る者を惹きつけて離さない。

シンプルな文字盤側とは対照的に、裏盤のプレートに掘られた紋様は華やか。まさに芸術作品と呼ぶにふさわしい仕上がりになっている。

MOON PHASE 〜STAFF VOICE〜

トゥールビヨンはただ時間を見るだけでなく、芸術作品としての意味合いも強いです。複雑機構のなかでも最高峰と称されるだけあってとても高価になりますが、美術品を買うのと同じようにその価格以上の価値があります。

ご紹介してるクラシック トゥールビヨンは、ドレスウォッチとして最適な1本。トゥールビヨンはもちろんですが、袖からのぞくコインエッジの美しさも魅力のひとつ。身に着けるだけでその人の品格をあげてくれるでしょう。

いつかはトゥールビヨンを……と憧れを抱いて購入される方も多いです。いまでこそさまざまなブランドが採用していますが、その元祖であり歴史が刻まれた1本として、ぜひブレゲのクラシック トゥールビヨンを選んでいただきたいですね。