FRANCK MULLER
1986年に発表した「フレー・オシレーション(自動振動)トゥールビヨン」により、その名を世界に知らしめたフランク ミュラー氏。その後、ジャンピングアワー機能付きのレギュレータータイプの文字盤を持つトゥールビヨンや、スプリットセコンド・クロノグラフ 、ミニッツリピーター、ワールドタイムなどを搭載した名作を次々に発表し「ブレゲの再来」とまで呼ばれるほどに。そんな同氏が「自分の時計を望む人たちのために、良い時計を届けたい」という思いから1992年に立ち上げた時計メーカーが、フランク ミュラーのはじまりである。
天才時計技師フランク ミュラー
フランク ミュラーといえば、トノウ型(樽型)形状の時計として、多くの人に認知されている時計ブランドだ。その歴史は2020年現在で約30年と、他時計ブランドと比べれば浅く実は新興ブランドの一つである。
設立者はブランド名にもなっているフランク・ミュラー。同氏は17歳で入学したジュネーブ時計学校にて、3年間で履修する単位をわずか1年で修得。時計を組み上げる卒業検定では、ただ組み上げるだけでなく永久カレンダーを組み込むなど、その卓越した技術で多くの人に衝撃を与えた人物だ。
同氏は学校を卒業後、引く手数多の環境にいながら、どこにも属さない独立時計技師として創作活動を続ける。そしてトゥールビヨンをはじめとする超複雑時計を30本以上発表。フランク・ミュラーの名は世界を駆け抜け、いつしか「ブレゲの再来」とまで呼ばれるようになった。
その後「一人でも多くの人に自身の作品を届けたい」と設立したフランク ミュラーブランドは、既成概念にとらわれない独創的な時計作りを行い、一躍有名時計ブランドの仲間入りを果たすことになる。
そんな同ブランドから今回セレクトしたのは、蒼い文字盤が非常に美しいトノウカーベックス クロノグラフである。
優麗に踊るビザン数字
フランク ミュラーといえば忘れてならないのが、ダイヤルの中で踊る個性的なインデックス。
「ビザン数字」と名付けられたフランク ミュラー独自の書体は、それぞれのバランスが細かく考えられており、ケース形状や機構(クロノグラフやトゥールビヨン)の有無によっても見た目が異なってくる。
本モデルは中央にクロノグラフとスモールセコンドが配置され、タキメーターやデイト表示など文字盤に要素の多い1本だ。
それでいて視認性が良いのは、1本1本のデザインによってビザン数字の大きさや数、そしてダイヤルの色などすべてに至るまで細かく調整しているからに他ならない。それぞれの要素に目移りせず、見たい情報だけが目に入るデザインは見事である。
美しく変化するギヨシェ文字盤
鮮やかな発色のもの、深みのあるもの、エナメルを何層にも吹き付けて仕上げるもの、いまや数千種類以上とまでいわれるフランク ミュラーの文字盤。それは時計の顔であり、一切の傷、汚れは許されない世界。
各工程で幾度にもわたるチェックを繰り替えし完成した1本は、まるで名画を見ているような錯覚すら覚えるほど人々の心を惹きつける。
文字盤に刻まれたギヨシェ(=ギョーシェ。規則的なパターンの彫りのこと)は、光量や角度によってまったく違う表情を見せてくれる加工技術のひとつ。
写真で見ても十分美しいが、彫りによる細かく変わる蒼の輝きは、ぜひ実物を見ていただきたいものだ。
FRANCK MULLER
トノウ カーベックス クロノグラフ
品番:6850CC AT
素材:PG(ピンクゴールド)
サイズ:縦47㎜×横34㎜
防水:日常生活防水
ムーブメント:自動巻き
文字盤:ブルー
販売価格:885,000円(税込)※USED
【付属品】
外箱、内箱が付属
※価格は2020年2月現在のMOON PHASE銀座店・販売価格です。
MOON PHASE 〜STAFF VOICE〜
本連載初登場となるフランク ミュラー。設立から約30年とまだまだ新興ブランドなのですが、あっという間に地位を確立し、一時代を築き上げました。
なかには、えっ⁉︎と思うような斬新な時計も数多く発表しています。
例えば「クレイジーアワーズ」。これは12時位置に8、6時位置に2、というように数値がバラバラに配置されたものです。
そして「ヴェガス」は、センターにカジノのルーレットを配置。実際にボタンを押せばルーレットが回転します。もちろん時計に必要な機能ではありません(笑)。完全な遊び心です。
そして、極め付けは、針が12時位置に固定された「シークレットアワーズ」。パッと見では常に12時で、ボタンを押せば現在時刻に早変わり。このような遊び心がふんだんに盛り込まれているのもフランク ミュラーの特長です。
フランク ミュラー氏が時計作りを心から楽しんでいるのが非常によく伝わってきますよね。
今回セレクトしたトノウ カーベックス クロノグラフモデルは、上記と比べれば真面目な1本(笑)。鮮やかで精巧な文字盤にクロノグラフを配置したスリーカウンタータイプで、非常に人気のあるモデルです。
ピンクゴールドのケースに蒼という派手な仕上がりですが、トノウ型も相まってドレッシーな印象になっています。腕周りが細身の方でも収まりのいいサイズ感ですよ。
ぜひともその腕にはめて、ゴールドとブルーの美しい色合いを楽しんでもらいたいものです。
所在地 | 東京都中央区銀座1-6-6 GINZA ARROWS1F |
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TEL | 03-5250-7272 |
営業時間 | 11:00〜19:00(日曜祝日〜18:00まで) |
定休日 | 水曜日 |
公式サイト | https://www.moon-phase.jp/ |