フォーマルからインフォーマルまで、自身のこだわりを移す鏡として選ばれる腕時計の数々。ここではブランド腕時計専門店・MOON PHASE(ムーンフェイズ)が最新モデルからアンティークまで、見る者の感性を刺激する1本をセレクト。今回はパテック・フィリップのカラトラバシリーズから、異色ともいえるパイロットウォッチモデルをご紹介しよう。

PATEK PHILIPPE
世界最高の呼び声高いブランド・PATEK PHILIPPE(パテックフィリップ)。そのはじまりは、1839年にポーランド出身のアントワーヌ・ノルベール・ド・パテックが創設した「Patek,Czapek & Cie」から。その後、技術者であるジャン・アドリアン・フィリップと出会い、1851年に“世界最高の時計をつくる”という社是を掲げ「PATEK PHILIPPE & Cie」と社名を改めた。「カラトラバ」「ノーチラス」といった代表的なコレクションや超絶のコンプリケーションウォッチまで幅広いラインを備え、ひたすら完璧な“時計の美”を魅せる至高の時計ブランドとして、時計界の頂点に立ち続けている。

ドレスウォッチからパイロットウォッチへ

ラウンド型腕時計の古典として、1932年から現在に至るまで人々に愛され続けるパテックフィリップのカラトラバ。当連載ではこれまで、1960年に作られたアンティークのカラトラバと2020年9月現在現行のカラトラバを紹介してきた。

下の写真を見てもらえばわかる通り、アンティークと現行モデルを比べてみてもそのビジュアルには大きな変化はない。カラトラバと言えばこのデザインであり、シンプルゆえに世代を超えて長年愛されてきたのだ。

画像: 現行のカラトラバ (5196J-001) dino.network

現行のカラトラバ (5196J-001)

dino.network
画像: 1960年製のカラトラバ (2526J) dino.network

1960年製のカラトラバ (2526J)

dino.network

しかしそれは、あくまでもドレスウォッチ・カラトラバの話である。約90年という歴史を誇るカラトラバには、派生したバリエーションもいくつか存在する。

なかでも発表当初物議を醸したのが、今回紹介する『カラトラバ パイロット トラベルタイム』である。

画像: カラトラバ パイロット トラベルタイム(5524G-001)

カラトラバ パイロット トラベルタイム(5524G-001)

文字盤のデザイン、インデックス、カラー……どれをとってもこれまで紹介してきたドレスウォッチ・カラトラバとは似ても似つかない。まるで無骨な計器のよう。

なぜ?どうして? 本モデルが発表された当時、多くのユーザーが困惑したという。

しかしこのデザインの背景には、パテック・フィリップが1936年に制作した時角時計(サイドロメーター)があった。時角時計とは星の位置を元にパイロットが現在位置を計測するためのもの。本モデルはドレスウォッチではなく、“パイロットウォッチ(アビエーションウォッチ)”としての展開だったのだ。※アビエーション=航空

突飛に見えた新モデルの意匠も、こうした背景を知ればうなづけるというもの。現在ではユーザーにもしっかり認知され、多くのファンを持つ人気モデルとなっている。

コンプリケーションモデルとして

さて、本モデルは“トラベルタイム”の名称通り、2つの時刻を同時に表示することができる「デュアルタイムゾーン機構」が搭載されている。文字盤には、通常の時針(現地・滞在先の時刻)とスケルトンの時針(出発地・自宅)が用意され、ケース左側のプッシュボタンを使って適宜設定する。

3時位置と9時位置にはHOME(出発地・自宅)・LOCAL(現地・滞在先)の2種類の昼夜窓が配置され、2つのタイムゾーンが現在昼なのか夜なのかを一目で判断可能だ。

2つのタイムゾーンを表示する必要がないときは、2つの時針が一つとなって動く……というのもパテック・フィリップらしい洗練した機能だろう。これにより普段はよりシンプルなビジュアルとなる。

画像: 文字盤には18金ホワイトゴールドの植字アラビア数字が配置され、インデックス・針にはスーパールミノヴァ夜光が施されている。

文字盤には18金ホワイトゴールドの植字アラビア数字が配置され、インデックス・針にはスーパールミノヴァ夜光が施されている。

画像: バネ棒をスライドすればストラップの交換が簡単に行える

バネ棒をスライドすればストラップの交換が簡単に行える

そしてあまり注目されていないが、かなり便利なのがストラップの装着部分に用意されたバネ棒だ。

これをスライドするだけで簡単にストラップを交換することができる。わざわざ時計店に持ち込む必要がなく、その日の気分で替えられるのは非常に喜ぶべき点だろう。

本モデルは前述した通りデュアルタイムゾーン機構が搭載されているため、パテック・フィリップのコレクションの中ではコンプリケーションモデルに位置付けられている。

そのため価格設定も500万円オーバーとなっておりUSEDでも400万円近い。かなり高めだが、人気は衰えることを知らず、入荷しても即売り切れてしまうというから恐ろしい……。欲しい方はできるだけ早く行動することをオススメする。

PATEK PHILIPPE
カラトラバ パイロット トラベルタイム
品番:5524G-001
素材:WG(ホワイトゴールド)
サイズ:縦42㎜×横42㎜
防水:日常生活防水
ムーブメント:自動巻き
文字盤:ブルー
販売価格:3,880,000円(税込)※USED
参考定価:5,778,000円
【付属品】
外箱、内箱、保証書(2019年6月)、調整ピン等が付属
※価格は2020年9月現在のMOON PHASE銀座店・販売価格です。

MOON PHASE 〜STAFF VOICE〜

パテック・フィリップの代表作であるカラトラバ。シンプルでクラシック、ドレスウォッチとして完成されたシリーズですが、パイロットウォッチとしての展開を誰が予想したでしょうか。

オリジナルのカラトラバと異なるのは何もデザインや機能だけではありません。そのサイズも42㎜と大型になっています。

一見しただけではパテック・フィリップぽくなく見えますが、ラグの形など伝統的なものもしっかりと取り入れており、見れば見るほどパテック・フィリップの時計になってくるから不思議です。

ブランドが好きで、カラトラバも好き。でも大きくて機能のあるものが欲しい……なんて人にとっては待ってました!と言わんばかりのモデルです。

かなりの人気&本数も少ないため、記事が出るころには既に売れてしまっている可能性もあります。欲しい!という方はまずはお店HPかお電話にてご確認ください。

所在地東京都中央区銀座1-6-6 GINZA ARROWS1F
TEL03-5250-7272
営業時間11:00〜19:00(日曜祝日〜18:00まで)
定休日水曜日
公式サイトhttps://www.moon-phase.jp/
【MOON PHASE(ムーンフェイズ)銀座】

腕時計に関する記事はこちらから

This article is a sponsored article by
''.