Cartier
世界のトップジュエラーに君臨するブランドでありながら、時計史に刻んできた功績はとても大きく、現在の時計業界への影響力も非常に高いのがカルティエ。とくに1904年に発表された「サントス」は、“時計を腕に巻く”という腕時計の概念を普及し、懐中時計から腕時計への移行を後押ししたほど。ほかにも「タンク」「パシャ」などのロングセラーモデルをいくつもラインナップし、どのモデルも美しい造形のケースに高度な技術を誇るムーブメントが納められていることでも定評がある。近年も「バロン ブルー」「カリブル ドゥ カルティエ」などの新シリーズを続々とリリース。片時も目を離すことのできないメゾンである。
2015年に追加されたラグジュアリーコレクション
ジュエラーとしてはもちろん、時計ブランドとしても一級のカルティエは年を追うごとに新たなコレクションを生み出してきた。今回ご紹介するのは2015年にラグジュアリーウォッチとして追加された1本。『クレ ドゥ カルティエ』シリーズからスケルトンモデルをご紹介しよう。
このコレクション最大の特徴は丸みを帯びたデザインにある。この“丸み”は、ラウンド形状ということではなく時計全体のプロポーションのこと。ベゼルからケース、そしてラグに至るまで流れるようなラインで形作られており、気品という言葉が相応しい仕上がりだ。
そして、全体の美しいラインを邪魔しないよう作られた一風変わった形のリューズ。これはコレクション名のクレ=CLÉ(フランス語で鍵)を表すもので、かつて置き時計を巻き上げるために使用されていた鍵から連想されたもの。リューズの中にはカルティエ時計伝統の人工宝石(サファイア)がはめ込まれておりちょっとしたアクセントに。
ちなみに下記がカルティエが発表しているクレ ドゥ カルティエのイメージ動画。こちらもぜひご覧いただきたい。
卓越した技術でシンプルかつエレガントに
スケルトン仕様の時計は数あるが、本モデルほど表裏で美しく揃えられたモデルがあるだろうか。多くの時計が内部の機構をこれでもかと押し出すのに対して、本モデルはあくまでもシンプルに、時計全体での均整・調和を大切にしている。
この均整の秘密は大きく肉抜きされたローターにある。表からはほとんど見えないように作られたこのローターは、一見軽そうに見えるが素材に22Kを使用しており、わずかな動きでもしっかりと回転し動力を確保。
デザインと機構をうまく溶け込ませることで、すっきりと、なおかつエレガントに仕上げているのだ。
ケースはプラチナと同等の輝きを持つパラジウム製。傷がつきにくく軽い、さらに変色もしにくいとあって、ラグジュアリーウォッチの素材としては非常に適しているといえる。こうした素材選びはさすがトップジェエラー・カルティエといったところ。
筆者は本モデルを始めてみたとき、恥ずかしながら気づかなかったことがある。それはムーブメントを固定するブリッジで形成されたローマンインデックスだ。
Ⅻ、Ⅲ、Ⅵ、Ⅸが非常にうまく溶け込み文字盤を構成している……全スケルトンのモデルの多くはインデックスのないものが多い中で(←筆者が気づかなかった言い訳)これは見事!
Cartier
クレ ドゥ カルティエ スケルトン
品番:WHCL0008
素材:パラジウム
サイズ:縦41㎜×横41㎜
防水:日常生活防水
ムーブメント:自動巻き
文字盤:スケルトン
販売価格:3,650,000円(税込)※国内正規USED
【付属品】
外箱、内箱(ワインディングマシーン)、保証書(2020年10月)等が付属
※価格は2021年7月のMOON PHASE銀座店・販売価格です。
MOON PHASE 〜STAFF VOICE〜
一流時計ブランドと遜色のない高い技術を誇るカルティエ。本モデルもスケルトン用に作った自社ムーブメントで、機構とデザインが完全にマッチした素晴らしいものに仕上がっています。
独特の形をしたリューズですが、個人的な感想を言うと、最初の位置に戻る瞬間にリューズ自体が自ら戻るような感覚があり“クセになる回し心地”です(笑)。これはぜひお店で体験してみてほしいですね!
時計自体はエレガントなシーンを想定して作られていますが、デザイン的には日常で着用してもなんら違和感ありません。極上の1本が欲しい方は、ぜひ本モデルを手にとってみてくださいね。
所在地 | 東京都中央区銀座1-6-6 GINZA ARROWS1F |
---|---|
TEL | 03-5250-7272 |
営業時間 | 11:00〜19:00(日曜祝日〜18:00まで) |
定休日 | 水曜日 |
公式サイト | https://moon-phase.jp/ |