PIERRE KUNZ
時計の聖地ヴァレ ド ジューの学校で時計製造を学び、老舗メーカーでグランドコンプリケーションの開発と製作を担当してきたPIERRE KUNZ(ピエール クンツ)。フランク ミュラー率いる「ウォッチランド」所属になってからもその才能は止まる所を知らず、同社からブランドを立ち上げるよう勧められるほどに。そうして誕生したのが自身の名を冠した「PIERRE KUNZ」だ。主に複雑機構のひとつである「レトログラード」を軸とした時計づくりを展開しており、その技術力はもちろんながら、デザインにおいても異彩を放つタイムピースを数多く生み出している。
レトログラードの魔術師 ピエール・クンツ
当連載初登場となるスイスの時計ブランド・ピエール クンツ。レトログラードを搭載した時計を展開しており、一般的な腕時計とは一線を画したデザインが特徴のブランドである。
レトログラード(フランス語で逆行の意味)とは、始点から進んだ針が終点に達すると元に戻る(回転ではなく逆行)機能のことで、同ブランドの創設者であるピエール・クンツは「レトログラードの魔術師」とまで呼ばれるほどの奇才。
この才能は同ブランドが所属するウォッチランドのフランク・ミュラー氏も認めており、ファーストコレクションの「パピヨン」を見た際には「こんなに美しい時計を見たのは初めてだ」と驚いたとか。
今回はそんなパピヨンコレクションから、限定モデルとなる『ロカ パピヨン』をセレクト。
まず最初に目に飛び込んでくるのは時・分ともにレトログラードで構成された文字盤だろう。このデザインこそ“パピヨン”たる所以であり、反復する針の動きはまるで羽ばたく蝶のよう。
直線と曲線で構成された文字盤に扇状のレトログラードが2つ、半円のムーンフェイズが1つ載っているわけだが、それらはレイアウトの黄金比を計算して配置されたものであり、余白となる部分も見事にデザインの一部として機能。
ケースサイドはコインエッジになっており、ケース素材のグレーゴールドの色合い、ラグの形状や文字盤のレトログラードと相まって、全体的にクラシックでとても重厚な印象の1本に仕上がっている。
特筆したいのは、革ベルトの付け根部分がケースに密着するように作られている点だ。これはベルトを通すバネ棒がラウンド形状になっているためで、このちょっとしたこだわりが本体とベルトの一体感を強調。独特なケース形状の時計ながら、違和感のない流れるようなデザインで、どんなファッションにもマッチしてくれることだろう。
レトログラードを機能としてだけでなくメインのデザインとして活用するなど、これまでの時計ブランドにはなかった発想でコレクションを展開しているピエール クンツ。人とは違う時計が欲しいという方には、ぜひともオススメしたい1本である。
PIERRE KUNZ
ロカ パピヨン
LIMITED EDITION
品番:C004HMRL GG Noir
素材:グレーゴールド
サイズ:縦42㎜×横37㎜
防水:日常生活防水
ムーブメント:自動巻き
文字盤:ブラック×シルバー
販売価格:73,8000円(税込)※国内正規USED品
参考定価:4,675,000円
【付属品】
外箱、内箱、国内正規保証書(2016年4月)等が付属
※価格は2022年2月現在のMOON PHASE銀座店・販売価格です。
MOON PHASE 〜STAFF VOICE〜
2002年に誕生した時計ブランド・ピエール クンツ。歴史は浅いですが、技術力や時計の美しさに対する情熱は並み居る老舗ブランドにも負けず劣らずで、所属するウォッチランドグループの筆頭であるフランク ミュラーのファンからも注目を集めています。
少し変わった(?)時計が欲しいとフランク ミュラーを選ぶ方も多いのですが、レトログラード機能付きの時計を考えているならば、ぜひピエール クンツのタイムピースを手に取っていただきたいです。
コレクションはラウンド型やスクエア型の時計が多いですが、本モデルのようにラウンドとスクエアの中間的な形状をしたロカケース(ピエール クンツでの名称)のような斬新なデザインのものもあって非常に目を引きます。
当記事で初めてブランドを知ったという方もいるかもしれませんが、ぜひこの機会にコレクションをチェックしてみてください。新しい時計の世界がそこに広がっていますよ!
所在地 | 東京都中央区銀座1-6-6 GINZA ARROWS1F |
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TEL | 03-5250-7272 |
営業時間 | 11:00〜19:00(日曜祝日〜18:00まで) |
定休日 | 水曜日 |
公式サイト | https://moon-phase.jp/ |