フランク ミュラー トノウカーベックス マスターバンカー「フランクの特許技術」【今週の逸本 Vol.187】

3つの地域の“正確な時間”が一目で分かる実用時計

時計として堅実なものから、「えっ！」と驚くようなユニークなものまで、幅広いコレクションを有する時計ブランド・フランク ミュラー。

今回ご紹介するのは一見ユニークな見た目ながらも、とても堅実な理由で作られた1本。ひとつのムーブメントで3つの異なる時間を表示する人気モデル『マスターバンカー』だ。

腕時計の中には、第二時間帯を表示する「GMT」機能や、世界中の時間が分かる「ワールドタイム」機能を持つものもある。しかしそれら機能で該当の時間を見るには、GMT針を見たり、文字盤外周の都市名を見たりといった一手間が必要だ。

一方『マスターバンカー』では、そもそも文字盤にダイヤルが3つあり、普段行なっている時間確認と変わらぬ方法で瞬時に時間が分かる。しかも、自分が設定した地域の“正確な時間”（時・分）がだ。

なぜこのような時計が作られたか。
実はこれ、「世界の金融市場の時間が分かるものを」という銀行家の要望を受け開発されたもの。“マスターバンカー”という名称も納得である。

もちろん銀行家以外でも本モデルの機能は有効だ。日本では時差をほとんど意識することはないが、世界には隣国と時差のある国や、自国の中でも複数の時差がある国が存在する。そのため、マスターバンカーの需要はとても多く、トノウカーベックスコレクションの中でも非常に人気のあるモデルとなっている。

本モデルは、フランク ミュラーのメンズコレクションの中では最小となる「2852」サイズ（縦43㎜×横31㎜）。とはいえ、トノウカーベックスの形状的にそこまで小さすぎる印象はなく、腕元での収まりで言えばとてもバランスの取れたサイズと言える。

インデックスには同ブランドではお馴染みの「ビザン数字」を採用。文字盤が3つあり時刻表示の数字が多いことが影響してか、普段よりもビザン数字のタッチは控えめになっている印象だ。

文字盤の地には、メインダイヤル中央から広がる紋様、インダイヤルの紋様という2種類のギヨシェ彫りが施されている。全体の色合いは同じだが、彫りの違いのおかげでそれぞれのダイヤルの視認性はとても高い。

目を引くデザインと、実用性のある独特機能が魅力の『トノウカーベックス マスターバンカー』。人とは違う時計を、という方にぜひおすすめしたい1本である。

MOON PHASE 〜STAFF VOICE〜

フランク ミュラーの時計ってとても面白いですよね。例えばインデックスの順番がバラバラに配置されている「クレイジーアワーズ」や、そもそも現在時刻を表示していない「シークレットアワーズ」（←何を言っているのか分からないぜ……という方はぜひこちらをご覧ください）など、「なにこれ？」と思うものがたくさんあります。

今回のモデルは一見それらと似ているようですが、実は実用性抜群の時計で、作られた理由もとっても真面目です（笑）

フランク ミュラーの時計は気になるけど「実用」という部分が切り離せない……なんて方は、この『マスターバンカー』を手に取ってみてください。きっと気に入ると思いますよ！

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