ロレックス コスモグラフ デイトナ Ref.16520「“いま”につながる16520」【今週の逸本 Vol.192】

デイトナの進化を語るうえで外せない『Ref.16520』をご紹介

「Watches ＆ Wonders Geneve 2023」にて新型モデルが発表されたばかりのロレックス。なかでも注目は、フルモデルチェンジをはたした『コスモグラフ デイトナ Ref.126500』だろう。最新のデイトナはキャリバーも新しくなり、まさにロレックス次世代モデルといったところ。

さっそく当連載でご紹介……といきたいところだが、まだ発売していないのでしばしお預け。
※当連載はムーンフェイズ銀座店で販売しているものをご紹介する企画です。

ではここで紹介するデイトナはなにか？
今回セレクトしたのは、1989年に登場して以来11年間にわたり愛されてきたロングセラーモデル。デイトナ初の自動巻きムーブメントを搭載した『コスモグラフ デイトナ Ref.16520』だ。

Ref.16520はバーインデックスやインダイヤルのリングが細身になっており、全体的に線が細いデザイン。

読者のみなさんの中には「Watches ＆ Wonders Geneve 2023」にて発表されたばかりの最新デイトナを見た方もいるだろう。もしお手元に写真等があれば、ここで紹介するRef.16520のデザインと見比べてみてほしい。ベゼルこそ違うものの、文字盤のディテールはかなり近いことに気づくはずだ。

現行モデル（Ref.116500）を見ると、これら文字盤の要素は太めに設定されているため、新型デイトナ（Ref.126500）は自動巻きデイトナの原点・Ref.16520のデザインバランスに戻った形である。

さて、本モデルに搭載されているムーブメントはロレックスの完全自社製ではない。自社製のクロノグラフムーブメントができたのは2000年で、1989年登場の本モデルには、ゼニスの名機エル・プリメロをベースにしたCal.4030が搭載されている。

ムーブメントの構造を外から見ることはできないが、実はエル・プリメロの特徴は文字盤を見ればわかる。それが9時位置に配置されたスモールセコンドだ。（2023年最新モデルのデイトナは、プラチナモデルに限りシースルーバックでムーブメントが見える仕様に！）

現行モデル（Ref.116500）と最新モデル（Ref.126500）のスモールセコンドは6時位置にあるため、この仕様を見ればすぐにCal.4030とわかる。また、細かい点だが、ハック機能（リューズを引くと秒針がストップする）が付いていないなど、使い勝手にも違いがある。

本個体ならではの特徴は、裏蓋に貼られたロレックスのシールだ。当時、輸入品のロレックス時計には裏蓋にシールが貼られており、本個体ではそれがとても良い状態で残っている。大変貴重なもので、時計自体が綺麗に使われていたという証拠でもある。

新たなデイトナに注目が集まっているが、そのデザインバランスの原点ともいえるRef.16520は手に入れておいて損のない1本だろう。本個体のシリアルはA番で、製造年も1998年～1999年とRef.16520のなかでは高年式のもの。

美しいコンディションのものをお探しの方は、ぜひこの機会にムーンフェイズ銀座店に足を運んでみてほしい。

MOON PHASE 〜STAFF VOICE〜

本モデル以前のデイトナは手巻きで、文字盤のデザインも異なります。つまり、本モデルが現行のデイトナを作り上げたモデルともいえ、そのデザインは新型デイトナに継がれているといっても過言ではありません。どうです？ 新たなデイトナが発表された今こそ手に入れたい……なんて思いませんか？

Ref.16520は11年間販売されており、途中でマイナーチェンジを繰り返してきました。本モデルは2000年の生産終了間際のもので、もっとも高年式なモデルです。コンディションも大変良好！

年が経つにつれ市場からRef.16520の本数も少なくなってきております。お探しの方はぜひ本個体をチェックしてみてください。

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