淡いピンクが女性にササる。適度な酸味がオジサンにもウケる。
製品名は「ミガキイチゴどぶろく」という。見かけたのは、横浜赤レンガ倉庫内の小さな食品店。印象的には期間限定で店頭販売されているようだった。
ミガキイチゴとは、一粒1000円などと謳う高級イチゴのブランド。同じアイコンを使ったワインなども売っていたけれど、同行していた相方(妙齢の女子、ということにしておこう)がササったのは、なんと「どぶろく」だった。
白くシンプルなパッケージが巻かれた細身のボトルの中には、淡いピンク色の飲み物。見るからに濃厚そうなところが、甘めのお酒好き女子の好奇心をくすぐったらしい。
おまけに「飲む点滴」と呼ばれるほど栄養豊富などぶろくに抗酸化作用に富んだビタミンCたっぷりのイチゴを混ぜ込んだ……と聞いて、美容と健康に良い飲み物、という位置付けに決定したようだ。そんな時の女子の財布の紐は、そうとう緩みやすい。
飲み方にはいろいろあるらしい。けれど、ストレートで飲んでも思っていたほど甘くないところが、オジサン的には気に入った。どちらかと言えばイチゴのフレッシュな酸味が勝っている。ロックでは少し薄味かも。ミルクと混ぜるとまるでジュース。と、相方はゴクゴクとなかなかいいペースでグラスを空けていた。
それなりに気に入ったので、Amazonで購入しようと思ったのだけれど、どうやら極めて期間限定的販売だったようだ。楽天などほかの通販も探してみたが、今のところ購入ルートを再発見することはできていない。
これぞまさしく、イチゴ一会?
港区芝の「醸造所」とコラボ。角打ち営業にも行ってみたい
“食べる宝石”とも言われるミガキイチゴの供給は、宮城県にある株式会社GRAから行われる。どぶろく以外にも、スパークリングワインなどを製造・発売している。
「ミガキイチゴどぶろく 」のベースとなる純米どぶろくは「東京港醸造」が生産したもの。
東京港……? に造り酒屋があるとはまったく知らず。調べてみれば、2016年に清酒の製造を始めた当初は、「東京都23区で唯一の酒蔵」だったようだ。
「とうきょうこう」ではなく「とうきょう・みなと(く)」なのだろう。
製造しているブランドの中でも代表的なものは、「江戸開城」と名付けられている。他に「六本木の酒」とか「麻布の酒」とか「芝の酒」とか。名前だけでも凄いインパクトだ。清酒酵母で作られたという蜂蜜酒「ミード」なんかも、女子には気になるアイテムかもしれない。
酒造りの本拠はなんと、港区芝にある鉄筋コンクリート4階建ビルだ。酒造りでもっとも大切だと言われる水は、水道水を利用しているという。それでも高い品質と旨さで人気を博している理由の一つは、生きた乳酸菌を利用した独自の醸造法にあるようだ。
さらにちょっとユニークな取り組みと言えそうなのが、醸造所前に停められているキッチンカーを利用した簡易的な「角打ち」営業を行なう「東京港醸造テイスティングカー」だ。
平日は夜6時から9時までの営業で、一杯(90ml)350円で楽しむことができる。土曜日はなんと午後1時からのスタート(午後7時まで)となる。土曜日には食事も提供されるというけれど、平日は近くの飲食店からのテイクアウトなどを持ち込むこともOKだというから、生粋の飲兵衛にはたまらん。
◎東京港醸造(株式会社 若松) 東京都港区芝4-7-10 TEL : 03-3451-2626 公式HP
蔵・テイスティングカー共に同住所(地図は下記参照)
神原 久|Hisashi Kambara
Motor Magazine誌など自動車雑誌の編集者としてはや30年が経過。「寄り道」と「回り道」が好きで、自動車以外にも五輪写真集や美人アスリート本、外国人ジャーナリストの文化論的単行本など、さまざまなジャンルの媒体編集を担当。特技はバレエ。趣味はゴスペルとバドミントン、配信動画鑑賞。