元IBF世界王者のケル・ブルック(英国=41戦39勝27KO 2敗)を挑戦者に迎えた、WBO世界ウェルター級タイトルマッチの結果をお伝えする。
P4P(パウンドフォーパウンド)トップクラス常連のクロフォード
名前 | テレンス・クロフォード(王者) | ケル・ブルック(挑戦者) |
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生年月日 | 1987年9月28日(試合当日 33歳) | 1986年5月3日(試合当日 34歳) |
戦績 | 36戦36勝無敗(27KO) | 41戦39勝2敗(27KO) |
身長/リーチ | 173cm/188cm | 175cm/175cm |
スタイル | 左ボクサーファイター(スイッチヒッター) | 右ボクサーファイター |
クロフォードは現役のWBO世界ウェルター級チャンピオン。ここまで36戦36勝27KOというパーフェクトな戦績を誇り、体重差を考えない場合の最強ボクサーを想定する、いわゆるパウンド・フォー・パウンド(P4PまたはPFP)の上位に常に名前が上がる、人気と実力を兼ね備えたスターだ。
現在はウェルター級で戦っているが、元々はライト級からスタートしており、ここまでに3階級制覇を実現しているうえ、スーパーライト級時代には、主要4団体(WBO WBA WBC IBF)の王座統一を果たしている、正真正銘のスーパースターなのである。(とは言え、対戦相手には恵まれているとは言えず、“金を稼ぐ=知名度のあるスター選手との対戦(スーパーファイト)”は、これまでほとんどない)
基本はサウスポーだがオーソドックススタイルでも戦える器用さを備え、恵まれた才能とパワーでねじ伏せるというより、相手の出方や戦力を緻密に計算し、最適な闘い方を都度選択できる頭の良さを持つ。その柔軟な闘い方ゆえに、なかなか攻略法が見出せない、相手選手からしたら相当にやりづらいボクサーだろう。
ライト級あがりだけあって、上背は173cmとさほど高くない(ただしリーチは188cmとかなり長い)。対するケル・ブルックは175cmと少しクロフォードより大きいが、大した差ではなく、2人の体格差はほとんどない。
パワー、スピード、テクニックに関しては、クロフォードが上であると思われるが、ケル・ブルックもかつての世界王者。強打者だがパワーに頼らず、基本に忠実なバランスの良いボクサーだ。下馬評では遥か格上とみなされているクロフォード相手でも、全く歯が立たないということはないだろう。