ツーリングの約束を反故にされた主人公。買ったばかりのオートバイに1人またがって、あてもなく走り出す。
オートバイ2020年6月号別冊付録第86巻第9号『THE HOT SHADOW』より
©東本昌平先生・モーターマガジン社 / デジタル編集:楠雅彦@dino.network編集部

ツーリングの約束を反故にされた私

私はタカツクニヒコ、27歳独身。
とある会社に勤める、いわゆるどこにでもいるサラリーマンだ。上司の女性部長のボーイフレンドは私の長年の友人で、今年のゴールデンウィークは3人でツーリングに出かけるはずだった。

別にはしゃいでいたわけじゃないのだが、実は私はこのツーリングの予定に合わせて、バイクを新調していた。そのバイク、ヤマハのXSR900は、このところ業界でトレンドになっているネオレトロ(見た目は旧車ぽく、中身は最新バイクという、バカっ速なバイク)。コイツにまたがって新緑の中を走ることを私はめちゃくちゃ楽しみにしていたのだ。ヤマハファンなら忘れられない、伝統的な赤と白のツートンカラーのオートバイにまたがる私、誰かがその姿を見て何を思うだろう、そんなどうでもいいことに私は胸をときめかせていたのだ。

ところが、もうゴールデンウィークまでまもない時に、私は部長から「予定していたツーリングね・・・中止にしてくれません?」と告げられたのだ。

理由を聞くと、2人のバイクが、そろって車検切れしていたという。は?なんだよそれ、いまさらかよ、と言いたいところを噛み殺し、私はわかりました、と答えた。
せっかくのゴールデンウィークを予定を潰す理由にしちゃ、あまりにも馬鹿げてるだろ、と正直ムカついたが、そこは私もサラリーマン、笑顔で流すことに成功したのだった。
我慢できなかったらとしても文句は友人に直接言えばいいし。

画像1: ツーリングの約束を反故にされた私
画像2: ツーリングの約束を反故にされた私

XSR900とのソロツーリング決行を決意

ゴールデンウィークに突入した初日、私は1人XSR900を引っ張り出していた。本来なら3人のツーリングだったわけだが、もともとバイクは1人で走らせるものだし、好天に恵まれたゴールデンウィークに、手に入れたばかりの新しい相棒との距離を少しずつ詰めながら、走り出すのも悪くないと思ったのだ。

ある意味気分一新ってやつだ。いい切っかけだったかもしれない、悔しまぎれではなく、本当にそう思った。

問題は、どこに行こうかということだけ。だが、それも走り出してから決めればいいだろう。あてもなく走る、それがバイクの楽しみの一つだし。とりあえず、南に向かって走ろう、なにか良いことに出くわすかもしれない。そんな偶然をアテにして、走り出したっていいしゃないか。
何事も、少しずつ少しずつ。なにがあるかわからない、それが人生。出たとこ勝負の繰り返し、そいつに強いのが、バイク乗りというもんさ。

画像1: XSR900とのソロツーリング決行を決意
画像2: XSR900とのソロツーリング決行を決意

自粛ムードの2020年のゴールデンウィーク。もし何の縛りもなかったら、あなたはどこに行きたかったですか?

  • やっぱ海外、ハワイとかかな
  • 国内でも行ったことがないところはたくさんある。京都とか、四国辺りでもいいね
  • 温泉でゆっくり骨休みしたかったなあ
  • 今年はかえってどこにも出かけなくてよかった。家でゆっくり過ごすのが正解
  • 何も考えてなかった。考えたくない
  • やっぱ海外、ハワイとかかな
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  • 国内でも行ったことがないところはたくさんある。京都とか、四国辺りでもいいね
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  • 温泉でゆっくり骨休みしたかったなあ
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  • 今年はかえってどこにも出かけなくてよかった。家でゆっくり過ごすのが正解
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  • 何も考えてなかった。考えたくない
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画像: 新車を買った、少しずつ近づいていこう〜東本昌平先生『THE HOT SHADOW』より

楠 雅彦|Masahiko Kusunoki
湖のようにラグジュアリーなライフスタイル、風のように自由なワークスタイルに憧れるフリーランスライター。ここ数年の夢はマチュピチュで暮らすこと。

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