機能ではないが、見た目の良さが一番の決め手か?
1枚3,000円(税別)という価格は、マスクとしてみれば安くはないが、アンダーアーマーのスポーツウェアの一つと思えば妥当な金額。
前述のように、専用のマスク入れも付いているし、その立体的な形ゆえの重厚感というか、ウレタンを多用した厚めの構造が、所有欲を満たす。洗濯機で洗うことはNGで、手洗いを推奨されていることからも、それなりに繊細な製品であるが、それでも何回でも洗って再利用できるので(ということは医療用では断じてなく、自身の感染予防にはそれほどの効果がないということではあるが)、ジムウェアとしてみれば、十分価格に見合う商品だということができるだろうと思う。
前述の機能もしくは特徴には書いていないのだが、ジムウェアにもっとも大事なことは、ファッション性であるとも僕は思うのだ。
ある程度狭い空間で、さまざまな人たちが行き交う場所であるジムは、昨今の“アスレジャー”ブームも手伝って、単なるトレーニングの場というよりも、相当に“オシャレ”な社交的な場所になりつつある。ジムの中で、他のメンバーとの交流を楽しめるといっているわけではなく、日常を彩る、“ハレの場”になってきており、そこでの行動を誰かに見てもらう場になっているのだ=インスタ映えする世界になっているといってもいい。事実、見た目の良さを誇る多くのインフルエンサーやセレブたちはジムでのトレーニング中の自分の姿をインスタやTwitterで度々シェアしている。
そんな場所になっている以上、マスクといえども、見た目は大事。形や色、ブランドなどがモノをいうのである。
その論法からいうと、このUAスポーツマスクはなかなかにカッコいい。しっかりした作りは強い着用感を生み、それは暑苦しさや顔に何かついていることの違和感を多少増幅する可能性があるが、反面その着用感が満足感を生じさせることになる。つまりはトレードオフなのだ。
このUAスポーツマスクは、ジム内での運動や、ランニングやサッカーなどの野外スポーツを楽しむアスリートのために作られたモノだが、そのプレイ中で見られる自分の姿を飾る、オシャレアイテムとしても合格点を取れる商品だ。
アスレジャーの流行に伴い、スポーツをしている時も、日常の見た目を彷彿させるファッション性を要求される時代になってきているのであり、さまざまな企業・ブランドが参入し始めているこのマスクという商品は、感染防止という本来の医療用目的を逸脱してファッションアイテムとして、今後より多くの人々を巻き込みながら新しい市場を作っていく。
UAスポーツマスクはその1つの現れであり、3,000円で手に入る新しいオシャレな商品なのだと心得ておくべきものなのだ。
小川 浩 | hiro ogawa
株式会社リボルバー ファウンダー兼CEO。
マレーシア、シンガポール、香港など東南アジアを舞台に起業後、一貫して先進的なインターネットビジネスの開発を手がけ、現在に至る。
ヴィジョナリー として『アップルとグーグル』『Web2.0Book』『仕事で使える!Facebook超入門』『ソーシャルメディアマーケティング』『ソーシャルメディア維新』(オガワカズヒロ共著)など20冊を超える著書あり。