PATEK PHILIPPE
世界最高の呼び声高いブランド・PATEK PHILIPPE(パテックフィリップ)。そのはじまりは、1839年にポーランド出身のアントワーヌ・ノルベール・ド・パテックが創設した「Patek,Czapek & Cie」から。その後、技術者であるジャン・アドリアン・フィリップと出会い、1851年に“世界最高の時計をつくる”という社是を掲げ「PATEK PHILIPPE & Cie」と社名を改めた。「カラトラバ」「ノーチラス」といった代表的なコレクションや超絶のコンプリケーションウォッチまで幅広いラインを備え、ひたすら完璧な“時計の美”を魅せる至高の時計ブランドとして、時計界の頂点に立ち続けている。
エナメルダイヤルによる美しい文字盤
世界最高峰ブランドであるパテックフィリップから、1960年製のアンティークな1本「カラトラバ トロピカル」をご紹介。本来アンティークやヴィンテージというと、製造から100年ほど経過したものが多いが、腕時計に関しては、70年代以前のもの(約50年以上前)を総じてアンティークと呼ぶことが多い。(それ以前のものになると時計として機能しないものも多い)
本モデルの特長は、独特の輝きが目を引くエナメルによる文字盤。その製造にはとても時間がかかり、ガラス質の釉薬(うわぐりす)を塗り炉焼き、その工程を何度も繰り返し形にしていく。手間もコストもかかるうえ、つくることのできる職人もかなり少なくなっており、現代では一部高級時計を除き、ほとんど見ることのない技術である。
その魅力は普遍的な美しさ。写真を見ていただければ、アイボリーの文字盤が60年経った今でも艶のある輝きを放っているのがわかるだろう。
素材の特性から衝撃には弱いため、現在までクラックが入らず残っているものは大変希少。さらにもともと製造本数も少ないことから、美しい状態でお目にかかれることは奇跡と言われることも。
また、本モデルの希少性をより高めているのが、スイス最古の腕時計店であるBEYERとのダブルネームである点。当時、どういう経緯で作られたのかはわからないが、本数はさらに絞られるため世界的に見ても大変貴重である。
その歴史はすべて記録されている
パテックフィリップは、これまで製造・販売した時計の履歴をすべてジュネーブで一元管理している。このアーカイブサービスで、その時計のムーブメントNo・キャリバー・ケースNo・文字盤・製造年・販売日などがすべて分かるのだ。
アンティーク時計では持ち主がオーバーホールに出していたり修理を依頼していたりすると、パーツがその時代の最先端のものに変えられてしまうことがよくある。また、キャリバーが載せ替えられていたり、リダン(文字盤の改修)されていると、その価値はグッと下がってしまう。
今回のモデルはレザーベルト以外は当時のまま。レザーはさすがに保たないので、販売店が新しいものに変更するのが普通だ。現在装着されているのは「ジャン・クロード ペラン」のレザーベルト。フランク・ミュラーのベルトを製造しているメーカーで、数々の一流時計メーカーから高い信頼を得ている。
パテック・フィリップ 2526 カラトラバ トロピカル
品番:PATEK PHILIPPE / 2526J
素材:YG(イエローゴールド)
サイズ:縦35㎜×横35㎜
ムーブメント:自動巻き
文字盤:アイボリー
販売価格:4,880,000円(税込)※アンティーク
【付属品】
ウォッチケース、アーカイブ、修理明細書、K18イエローゴールド製オリジナル尾錠(幅14㎜)等が付属
※保証書なし
※革ベルトはJCぺラン製のクロコベルト(新品)に交換済み
※価格は2019年9月現在のMOON PHASE銀座店・販売価格です。
MOON PHASE 〜STAFF VOICE〜
現行品ではほとんど見ることのできないエナメルダイヤル。美しい輝きを放つ18金のイエローゴールド。誰とも被ることがなく、自分だけの1本として楽しめるアンティークのカラトラバはまさに特別なシーンにぴったり。
世代を問わず映えるドレスウォッチですので、50代、60代、70代になってもその魅力は色褪せません。そのまま子の世代に受け継いでいける、そんなストーリーが似合う1本と言えますね。
注意点としては、エナメル素材でかなりデリケートだということ。日常使いではなく、前述した通り特別な時間、優雅なひと時を刻むようなイメージで使われるのがよろしいかと思います。
アンティークの時計というのは一期一会。年月が経てば立つほどその出合いも少なくなります。今回我々のもとにきたのも何かの縁で、こうして紹介するのも縁でしょう。我々時計店としても、アンティークには特別な思いがあって、売れていくときは寂しいものです。もしこれを読まれているアナタがこの時計を手にしたら、どうか末長く大切になさってくださいね。
所在地 | 東京都中央区銀座1-6-6 GINZA ARROWS1F |
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TEL | 03-5250-7272 |
営業時間 | 11:00〜19:00(日曜祝日〜18:00まで) |
定休日 | 水曜日 |
公式サイト | https://www.moon-phase.jp/ |