OFFICINE PANERAI
40㎜を越す大型ケースに厚みのある無骨なデザインの時計を展開するオフィチーネ・パネライ。創業は1860年と古いものの、元はイタリアの軍用時計を手がけるメーカーであり、軍事機密もあって一般的には知られていなかった。そんな軍需契約が終了する1993年に民生用として時計を販売。その後、シルベスター・スタローン主演の映画「デイライト」で起用され、一躍注目を集める。以降、高い防水性を備えた厚みのあるケースデザインの「ルミノール」シリーズや、厚みを抑えエレガントさを持たせた「ラジオミール」シリーズを中心に展開。近年では、自社開発キャリバーにも注力し、技術革新への期待が高まっている。
複数の時を操る『ラトラパンテ』
リューズガードが印象的なパネライのルミノールシリーズ。なかでも1950年代のモデルをセルフオマージュした『ルミノール 1950』は、全体的に丸みを帯びたフォルムが人気のシリーズだ。
これまで同シリーズからはブレスレット仕様のモデルや、単独コレクションとして展開される前のサブマーシブルなど、特徴的なモデルをご紹介してきた。
そして今回ご紹介するのも、これまた珍しい1本。スプリットセコンドクロノグラフを採用した『ルミノール1950 ラトラパンテ』だ。
名称にある「ラトラパンテ」とはフランス語で、スプリットセコンドクロノグラフのことを指している。ではスプリットセコンドクロノグラフとは何か?
これは複数の時間を計測できるクロノグラフ機能のことだ。その機能は下図を見てもらった方がわかりやすいだろう。
まずスタートボタン(上写真左の①)を押すと、クロノグラフ針とスプリットセコンド針が重なったまま同時に動き出す。計測途中でスプリットボタン(上写真右の②)を押すと、スプリットセコンド針はその場でストップし、クロノグラフ針の計測がはじまる。
クロノグラフが起動中であれば、スプリットセコンド針をリセットして新たに計測を開始することも可能。これによりラップタイムの計測など複数の計時ができるわけである。
余談だが、スプリットセコンドクロノグラフは「スプリットセコンド=分裂する秒針」という意味で、見ていただいた通り針の動きが由来となっている。
このスプリットセコンドクロノグラフは複雑機構の一つであり、限られたメーカーでしか作られていない。作り上げるには高い技術力が必要であり、非常に繊細なタイムピースといえる。
ちなみに本モデルは複雑機構を搭載していながらも、100M防水という高い防水性能を実現。さすがパネライは軍用時計を手がけていただけあって、その技術力には脱帽だ。
発売から十数年が経過しているが、その人気は未だ衰えることなくファンも非常に多い本モデル。これだけの機能性を持っていながら100万円以下で手に入るというから驚きだ。
男心を刺激する1本。パネライをお考えなら、ぜひその選択肢に本モデルを加えてみてほしい。
OFFICINE PANERAI
ルミノール1950
ラトラパンテ
品番:PAM00213
素材:ステンレススチール
サイズ:縦44㎜×横44㎜
防水:100M防水
ムーブメント:自動巻き
文字盤:ブルー
販売価格:798,000円(税込)※国内正規USED品
【付属品】
外箱、内箱、国内正規保証書(2007年7月)、クロノメーター証書、替えのラバーベルトが付属
※価格は2022年5月現在のMOON PHASE銀座店・販売価格です。
MOON PHASE 〜STAFF VOICE〜
ラトラパンテ……なんてかっこいい名前なんでしょうか。何度も口に出してしまうような不思議な魅力があります。
ラトラパンテとはフランス語で「追いつく」という意味で、スプリットセコンドクロノグラフの機能を表しています。本文中ではスプリットセコンドの名前から“分裂”と解説していますが、見方によっては針が針に追いつくようにも見えますよね。こうした名前の付け方は日本ではあまり見られない形ですからとても素敵です。(だから惹かれるんでしょうかね?)
パネライの時計はデザインコードがしっかり決まっているので、ファンでないと見た目の違いが見えにくいのですが、本モデルは他とはかなり顔つきが異なるお時計です。2本目として選んでもきっと楽しめる1本になるはずですので、ぜひこの機会にお店で現物を見ていただければと思います。
所在地 | 東京都中央区銀座1-6-6 GINZA ARROWS1F |
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TEL | 03-5250-7272 |
営業時間 | 11:00〜19:00(日曜祝日〜18:00まで) |
定休日 | 水曜日 |
公式サイト | https://moon-phase.jp/ |