試合結果
現在のカネロの主戦場であるS・ミドル級のタイトルマッチ(S・ミドル級に最適化された体重での闘いであり、チャーロ弟からすると、普段のクラスから2階級≒6キロも重いクラスへの挑戦→普段はS・ウェルター級ゆえ約70キロ。S・ミドルは約76キロ)であろうが、ミドル級の兄貴の代役と言われようが、この試合が正真正銘のスーパーファイトであり、多くのボクシングファンが待ち望んだ一戦であることは間違いがない。チャーロにとっても待ちに待ったスーパーファイト。否が応にもモチベーションはあがっていたことだろう。(わりと常に無表情を貫くチャーロだが、それがゆえか、なんとなく気弱に見えてしまったのだが)
この数年間ボクシング界を牽引してきたのは、間違いなくカネロ・アルバレスである。
チャーロ弟もまた 一敗こそしているものの、リターンマッチでそのお返しをキッチリして、無敵のチャンピオンぶりをリング内外に示した真の強者だ。今回の戦いの相手であるカネロには、ビボル戦での敗北以来調子を落としている、あるいは衰え始めている?という悪評も立っている。チャーロにとっては、この上ないチャンスと考えても不思議はない。首尾よくカネロに勝てば、次のスーパーファイトの話も引き寄せやすくなる。
しかしながら、チャーロの強さ、思惑は、カネロに対しては通用しなかった。
速いフットワークでカネロの強い圧力と強打をかわしながら、ジャブを打ち込み遠い間合いを取り続けようとチャーロ陣営は目論んでいたようだが、その作戦は ビボル戦以降の悪評を打ち消そうと考えるカネロには通用しなかったのである。
チャーロのジャブは、鋭く、正確だったが、カネロを下がらせることはできず、カネロの追い足の早さに、チャーロは逃げきれず、ブロックの上からカネロの強打を浴び続けることになったのだ。
まともにヒットした打撃は、2人ともそれほど多くはないように見えたが、カネロの猛打は ジャッジを含む見ている者に 強い印象を与え続けた。それに、当のチャーロ自身にも、かなりの衝撃を与え続けたことだろう(まともにヒットしたら、俺も倒れちゃうかも!?と心配になる≒ビビる)
さらに、第7ラウンドには、カネロの右がチャーロ弟のガードを擦り抜け、テンプルにヒット。チャーロは我慢しようとしたものの、耐えきれず膝をついてしまったのだ。
結果として、チャーロの頑張りはカネロのプレッシャーに通じず、フルラウンド(12ラウンド)持ち堪えたものの、3-0の判定でカネロの圧勝ということになったのだった。