ディズニーが「くまのプーさん」を初の実写映画化した『プーと大人になった僕』を紹介。
常に何をしなければならないという衝動に追いまくられる“社会人としての”生活に疲れを感じている、疲れた大人に最適な一本。

複数のスタートアップを手がけてきたシリアルアントレプレナー 小川 浩が、徒然なるままに最新のテクノロジーやカッティングエッジなサービスやカルチャーなどについて語ります。

ストーリー

プー、そして子豚のピグレットなどの仲間たちとともに少年時代を過ごしたロビン・クリストファーが、第一次世界大戦での従軍経験や、社会人として妻子を養わなければならない“普通の大人”になった頃、あの頃のままのプーがロビンが暮らすロンドンに現れる……。

画像: 「プーと大人になった僕」MovieNEX 予告編 youtu.be

「プーと大人になった僕」MovieNEX 予告編

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ユアン・マクレガーの少年ぽい笑顔が鮮やかな一作

主人公のロビン・クリストファーを演じるのはユアン・マクレガー。
世知辛い日々の暮らしの中で、常に思いつめたような表情を強いられる大人を演じる彼が、少年時代の親友であるクマのプーとの再会を経て、童心を取り戻していく過程を実に軽妙に演じていて好感持てる作品になっている。

少年の心を忘れかけて効率と実益のみを重視する典型的な大人になってしまったロビン・クリストファー。少年時代はプーやその仲間たちとの、森での楽しい日々、毎日訪れる極上の冒険の時間を楽しんでいたはずなのに、父親の死や寄宿学校での生活、そして長じては戦争という過酷な現実に晒されていくことで、“あの頃”の穏やかで優しい気分を忘れてしまう。“あの頃”たしかにあった強い友情を、懐かしく思わなくもないが、それは単なる過去のガラクタでしかなくなってしまっているのだ。

だから大人としては、週末返上で与えられた仕事に取り組むことが家族を守り、生活を維持していくための唯一の方法であると信じ込む。父親との楽しい時間を求める娘の気持ちや、家庭から離れてしまっている夫を憂いる妻の心配をよそに、ひたすら仕事人として生きようとするのだ。
そんな彼の元に、突然現れたクマのプーは、大人になりシワもできたロビン・クリストファーに対して、昔と変わらない友情を信じるが、すっかり大人になったロビン・クリストファーはそれを(当然ながら)迷惑に感じてしまい、プーの無邪気さに冷ややかな態度で応えてしまう。

しかし、プーを煩わしく感じながらも、ロビン・クリストファーは徐々に少年時代に感じていた大切な友情を思い出していく。将来の幸せのためにひたすら働くロビン・クリストファーに対して、彼の愛妻は「人生は目の前にある」と訴え、常に明日のことを心配するロビン・クリストファーに対して、プーは「明日になれば、それは今日。ぼくが一番好きな日は、今日」と語る。
凝り固まったロビン・クリストファーには彼らの言葉は初めの頃こそなかなか届かないが、それでも徐々に彼の固い外郭が崩れていくのは、彼自身が本当は自分の生き方が良いものだとは思っていないからである。

映画の前半では常に苦い表情を浮かべ続けていた主人公が、徐々に明るい笑顔をとりもどしていくさまは、常に緊張とストレスに晒される現実社会に生きる我々にとって、一服の清涼剤のようである。ユアン・マクレガー持ち前の、子供のような(馬鹿っぽいw)笑顔が、この作品でも強力なカンフル剤のように観る者の頑ななしこりをほぐしてくれるのだ。

まあ、そうは言っても実際には、僕自身がある種の仕事魔だし、仕事を通じてのみ、自分の人生の意味と意義を見出せると考えるタイプなので(ベンチャー起業家にとっては、生活とは戦場に生きる軍人のようなヒリヒリする緊張感の中にあるので……)正直子供の頃でさえ、プーとその仲間たちのような友人はいなかったし、同じような生き方をしている人たちとしか共感を得ることはなかなかに難しい。

しかし、それでも本作を観た後は、別の生き方というか、プーと少年時代のロビン・クリストファーが穏やかな夕陽を眺めながら“何もしない”時間を満喫する様子を少しばかり羨ましく思えたのも事実であり、日々の暮らしに少しでも疲れを感じたり、最近笑えてないなと思う人には、本作は是非観るべき一作だと思うのである。

画像: 『プーと大人になった僕』
疲れた大人のためのファンタジー

小川 浩 | hiro ogawa
株式会社リボルバー ファウンダー兼CEO。dino.network発行人。
マレーシア、シンガポール、香港など東南アジアを舞台に起業後、一貫して先進的なインターネットビジネスの開発を手がけ、現在に至る。

ヴィジョナリー として『アップルとグーグル』『Web2.0Book』『仕事で使える!Facebook超入門』『ソーシャルメディアマーケティング』『ソーシャルメディア維新』(オガワカズヒロ共著)など20冊を超える著書あり。

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