HARRY WINSTON
ニューヨークの宝石商の家庭に生まれたハリー・ウィンストンは、12歳のときとある店で見つけた緑色の石が2カラットのエメラルドであると見抜き25セントで購入。その後父親の店で800ドルで売ったという逸話があるほど確かな目を持っていた。彼は35歳でハリー・ウィンストン社をニューヨーク5番街に設立し、本格的に自身がデザインした宝飾品の販売を開始。一代で「キング・オブ・ダイヤモンド」と呼ばれるブランドに育て上げたハリーは、1989年に腕時計のデザインを開始。現在ではラグジュアリーウォッチから本格的なコンプリケーションウォッチまで展開している。
クラシカル×スケルトン
宝飾ブランドでありながら、生粋の時計ブランドにも勝るとも劣らない技術力、そして卓越したセンスで数々の名作を打ち出してきたハリー・ウィンストン。
今回は、クラシカルなデザインかつエレガントなミッドナイト・コレクションから、『ミッドナイト・スケルトン』をご紹介する。
なんといっても本モデルの特徴は、向こう側が透けて見えるスケルトンタイプの文字盤だろう。いまやスポーツウォッチでは当たり前のように展開されているスケルトン仕様だが、クラシカルなモデルではなかなか少ないもの。
当連載で紹介したスケルトンの時計でいえば、カルティエ サントス・デュモンの雰囲気が近いかもしれない。宝飾ブランドの時計というと派手なイメージを持ちがちだが、どちらも時計自体はシンプルであり、その美しい構造美で魅了するという点は見事である。
マイクロローターが実現する驚異の薄さ
ミッドナイト・スケルトンで特筆したい点はもう一つ。それが“薄さ”である。先ほどの写真を見てお気づきの方もいるだろうが、本モデルはマイクロローターを搭載した自動巻き時計である。
同様の仕様で薄いモデルはたくさんあるだろう。しかし、そこに通常モデルよりも部品数を抑えたスケルトン仕様ということをプラスすると、他に類を見ないのではないだろうか。
パワーリザーブは約42時間。さすがにロングパワーリザーブとはいかないが、補って余りある仕様であることを考えれば気にならないだろう。
ちなみに本モデルについているベルトは、オリジナルではない。ムーンフェイズ銀座店がカミーユ・フォルネのレザー&ラバーの混合ベルトに交換している。そのおかげもあってかフォーマルなシーンだけでなく、よりアクティブな場面での装着も可能となった。
時計界の常識にとらわれない自由な発想で時計を作り続けるハリー・ウィンストン。もし本モデルを手にすることがあれば、我々もその考えに則って自由にこの時計を楽しんでみたいものである。(とはいえ高価なので、かなり及び腰になることは言うまでもない……)
HARRY WINSTON
ミッドナイト スケルトン
品番:MIDAHM42WW001
素材:WG(ホワイトゴールド)
サイズ:縦42㎜×横42㎜
防水:日常生活防水
ムーブメント:自動巻き
文字盤:スケルトン
販売価格:1,980,000円(税込)※USED
参考定価:5,665,000円
【付属品】
外箱、内箱、保証書(2014年12月)等が付属
※社外製新品革ベルトに交換済み
※価格は2020年8月現在のMOON PHASE銀座店・販売価格です。
MOON PHASE 〜STAFF VOICE〜
18Kホワイトゴールドのケースにプラチナ仕様のマイクロローターを搭載……それにより驚異的な薄さを実現したスケルトンモデル。これが時計の専門ブランドではなく宝飾ブランドが手掛けたものというから驚きです。
紹介の部分にもありましたが、スケルトン仕様の時計はどれもスポーティなタイプで、今回のようなクラシカルなモデルは非常に珍しいです。フォーマルなシーンで付けられるスケルトンモデルとなるとかなり限られてきます。
とくに今回のモデルは、ラウンドタイプで万人向けであり、シーンを問わず対応できる懐の広さがあります。当然ながらお値段も高いのですが、同様の仕様で探しても他にないほどオンリーワンな時計です。
ハリー・ウィンストンだと前回ご紹介したプロジェクトZシリーズが人気ですが、こちらのモデルもぜひチェックしてみてほしいですね。
所在地 | 東京都中央区銀座1-6-6 GINZA ARROWS1F |
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TEL | 03-5250-7272 |
営業時間 | 11:00〜19:00(日曜祝日〜18:00まで) |
定休日 | 水曜日 |
公式サイト | https://www.moon-phase.jp/ |