OMEGA
1848年、当時23歳であったルイ・ブランが、懐中時計の組み立て工房を開いたのがはじまり。その後事業を拡大し、1903年に社名を「OMEGA」に変更。オリンピックでも常に名前のあがる公式時計メーカーであり、1965年にはNASA(アメリカ航空宇宙局)が進める宇宙計画のパートナーとしても認められた。1969年に人類と共に月面に降り立った腕時計『スピードマスター』はあまりにも有名。近年では、コーアクシャルムーブメントを採用するなど、時計界のエポックメイカーとして注目されている。
オメガ史上もっとも頑丈な腕時計
オメガが作り上げるタイムピースは、人類が月に降り立った瞬間を刻み、オリンピックで世界中のアスリートの活躍を記録し、さらにはスパイ活動まで支える(映画で!)という偉業を成し遂げてきた。
なかでもスピードマスターの原型でもあるシーマスター は別格で、これまで同コレクションからはアクアテラ、プラネットオーシャン、レイルマスターなど、多彩なバリエーションが展開されている。
今回紹介するのは、そんなシーマスター コレクションの一つである「プロプロフ」だ。
プロプロフとは、フランス語で「プロフェッショナルダイバー」を意味するplongeur professionnelから取った造語で、文字通り強烈な水圧に耐えながらの作業を行うプロダイバーのために作れたダイバーズウォッチである。
特異なスタイルが目を引くが、深海作業時での実用性の高さ、そしてその耐久性から多くのファンを生み出しているモデルであり、1970年の登場以来進化を続け、現在では120気圧(1200m/2000フィート)という破格の性能を誇る。
今回ご紹介するモデルは1970年代製造の初期型モデルだが、当時ですら600mという高い防水性を有していた1本であり、その堅牢性は折り紙付きだ。
ダイバーのための細かい配慮
では、さっそく細部を見ていこう。
真っ先に目に飛び込んでくるのが時計右上に配置された真っ赤なボタンだろう。
これは両方向回転ダイビングベゼルをリリース&ロックするためのセキュリティ プッシャーであり、不意の誤動作を防止するもの。
リューズの位置も特徴的だ。一般的な腕時計のリューズは3時位置にあるが、プロプロフでは9時位置に配置されている。これはダイバー作業時に腕の動きをより自由にするための配慮である。
ストラップにはメッシュブレスレットを採用(現行モデルはメッシュとラバーが選択できる)。金属を編み込んで作るメッシュブレスレットは、装着時にも柔軟に湾曲するため、直着けはもちろんウェットスーツの上からでも非常に装着がしやすくなっている。
本個体は、約50年も前に作られたとは思えないほどコンディションが良く、当時のオリジナル性を高く保っている。「オメガ史上もっとも頑丈」とメーカーも謳っており、その言葉を明確に体現していると言えよう。
まさに歴戦の猛者。アンティークとはいえ、いまなお現役という恐ろしい1本だ。無骨でタフな時計が欲しい──そんな方はぜひこの美しい1本をチェックしてみてほしい。
OMEGA
シーマスター 600 プロプロフ
品番:OMEGA / 166.077
素材:SS(ステンレススチール)
サイズ:縦44㎜×横55㎜
ムーブメント:自動巻き
文字盤:ブルー
販売価格:580,000円(税込)
※アンティーク(1970年代)
【付属品】
メーカー修理明細書(2013年12月)が付属
※価格は2020年8月現在のMOON PHASE銀座店・販売価格です。
MOON PHASE 〜STAFF VOICE〜
1970年代に作られたとは思えないほど美しく、文字盤やストラップなどダメージの入りやすい部分も非常に綺麗に残っています。アンティークとしてはこれ以上ない1本ですね。
プロプロフは一見すると奇抜な印象を受けますが、機能美といいますか、すべてが実用的な意味を持ってデザインされている時計です。
実際腕に乗せてみると、これがまたメカっぽくていいんですよ。個人的な感想で恐縮ですが、秘密道具というかスパイ道具というか、ガジェット感溢れる印象です。
好みが分かれるお時計ではありますが、写真を見てビビッと来た方もいらっしゃるかと思います。ぜひともこの美しいプロプロフを腕に着けてみてください。写真で見る以上に、その魅力が伝わるかと思います!
所在地 | 東京都中央区銀座1-6-6 GINZA ARROWS1F |
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TEL | 03-5250-7272 |
営業時間 | 11:00〜19:00(日曜祝日〜18:00まで) |
定休日 | 水曜日 |
公式サイト | https://www.moon-phase.jp/ |