※本連載はMotor Magazine誌の取材余話です。
ダークサイドの扉を開くのは、マットなボディカラーなのか
AMGのデザインゲノムの強靭ぶりをさらに高めているのが、ボディカラーだろう。テストカーは「グラファイトグレーマグノ」と呼ばれる、艶のないマットカラーでまとめられていた。
欧州ではマット系ボディカラーがすっかり「スポーティ」で「ラグジュアリー」なイメージを強化するアレンジとして定着した感があるが、その肌合いは実にしっとりしていて、かえって艶やかさにすら見える。
確かに大人になるにつれ、キラキラよりもっとりしたメイクが好ましく思えてくるもの。目の肥えた欧州のユーザーが、この独特の「輝き」に惹かれるのも理解できる。
AMG GTには他に、セレナイトグレーマグノとブリリアントブルーマグノが用意されている。このうちセレナイトとグラファイトは、4ドア専用だ。
専用色ではないしマットでもないけれど、ダイヤモンドホワイトもなかなか似合うように思える。グレー系のダース・ベイダー感はそうとうだが、ホワイトにはストームトルーパーの面影を感じる。
やっぱり、スター・ウォーズ・コラボじゃね?
それはSFヲタの単なる思い込みではなかった。
メルセデス・ベンツ(日本)自体がすでに、そうしたイメージの棲み分けにしっかりお墨付きを与えていたのだ。
余談の中の余談。2017年5月2日。「STAR WARS™️ Edition」がデビュー
話は2年と半年ほど遡る。
メルセデス・ベンツ日本株式会社は2017年5月、「スター・ウォーズの世界観を表現した特別仕様車」をCLA 180に設定した。台数限定。トータルわずか120台のスペシャルバージョンである。
この時、共通するキーワードとして挙げられていたのが「宇宙」。スター・ウォーズはもちろんだが、CLAは「未知なる宇宙から地球へ到来したクルマ」というコンセプトが表現されていた。
特別装備の内容は、STAR WARS™️ Edition専用のウェルカムライトやフロアマット、スペシャルなコレクターズナンバープレートの他、窓につけると「まるでスター・ウォーズのキャラクターが乗っているかのよう」に見えるサンシェード(これはビミョ〜)などなど。
購入者には「R2-D2」「C-3PO」「BB-8」との記念撮影体験といった、マニア心をくすぐる特典も用意されていたという。
この特別仕様車には、2パターンのボディカラーが用意されていた。かたや、ホワイトボディとブラックパーツのコントラストで魅せる「カルサイトホワイト」は、ストームトルーパーをイメージしたコーディネイト。
こなた、エクステリアカラーに特別色の「ナイトブラック」を奢りつつ、ホイールもブラック。インテリアも黒基調でレッドのワンポイトを配した60台は、ダース・ベイダー調であることがリリースに明記されている。
CLA180 STAR WARS™️ Editionは、メルセデス・ベンツのデザインDNAにはおける、ストームトルーパー&ダース・ベイダーゲノムの存在を立証している……と、言い切ったらロジックが飛躍し過ぎ、だろうか?